• NHKの朝の元旦特番で、振袖を着た須田亜香里夏木マリと並んでひな壇前列の真ん中に坐っている。風呂に入って本を読んでいる。
  • 数年前、『アラザル』の増刊号だかどこかに書いた雑文で、じぶんが写真を撮りはじめたのは、古本屋がどんどんなくなっていったこととサケカスになったことと通底している気がすると書いたけれど、それは、行為の突出ということかもしれないと思う。何かのために本を集めるというより、好きな本を集めたかったからだし、批評するときも、情況を変えるためとかいうより、批評したくなる何かとの遭遇などがあり、書きたくなって、結果として批評している。写真も何かのためではなく撮るために撮っているし、サケカスになったのも、推しと遭遇してしまったので推しているのだ。シャッターを押すのもアイドルを推すのもおなじなのかもしれない。
  • 昨日からAKBだの何だのずっとTVでみていたのだから最初に聴くCDなんて何でもいいじゃないかと思いながらも、けっきょくあれこれ迷って、やはりグールドの弾くハイドンの《42番》が頭に入ってるディスクを選ぶ。暖房で背中を温めながら、椅子に坐ったまま、ぼーっと《42番》を聴いて、もういちど《42番》の二楽章だけを聴いて、それから続けて、《48番》と《49番》も、ただ、ぼーっと聴く。
  • 出かけようと思うが寒くて動けず。チームSの《凍える前に》を繰り返し聴いている。佳曲。かなり安くなっているのをみつけて年末に注文した黒沢清の『ダゲレオタイプの女』(ものすごく好き。いずれ何か書きたい)のBDが届く。プロ・アルテQのハイドンのボックスを《73番》から聴き始める。三〇年代の演奏だが、モノラルの録音はきれいだし、何より音楽がよく弾んで楽しい。
  • 今年は真面目に写真と取り組もう(展示とか真剣に考えよう)。映画もまた数をみるようにしよう。批評も、もちろん継続して書いていこう。ドン・デリーロを再読しよう。糞みたいなことで神経をすり減らすのはやめよう(他人は他人でしかないし、顧慮はそれを、受容することを拒むものに対しては、こちらが疲弊するのみ。ただの無駄)。
  • 夜中にようやく外に出る。隣町の貸ヴィデオ屋へ、借りていたディスクを返却しにゆく。帰りに、スーパーで柚子に頼まれていた牛乳を買い、コンビニで振込を済ませる。
  • 元旦からまたテロ。二十歳そこそこの青年が原宿で、ほぼ同世代の青年たちを無差別にクルマで轢いたそうだ。責任能力うんぬんではなく、こういうかたちでの噴き出しが起る情況そのものが悲惨すぎる。