• 「これは女が、大好きな男を撮ってる写真だ。見たら判る」と書いているのをツイッターでみかける。さすが不愉快の痰ツボことツイッター。写真にはそんなものは写らないだろう。見たって判らないだろう。ホンマタカシの「My Daughter」はどうなるんだ。写真は機械が勝手に撮ってくれるものであって、この機械は別に撮られている人間のことなんか好きでも嫌いでもないだろう。にもかかわらず、何かそういうものが映っているような気にさせるから、写真は面白いのかも知れないけれど。心霊写真か。
  • 写真を撮って歩いていたら、後ろから呼び止められる。振り返ると「ウチのクルマ撮ったでしょ。何で撮るの?消してください!」と女に絡まれる。さっきこの女の連れがクルマを出している手前で、別の家の塀を撮った。彼女たちもクルマも一切フレームに入っていないのだが「何で撮るの?」と再び問うてくるので「クルマの窓に映り込んだり壁に隠れたりする街の風景を撮っているんです」と答える。まるでストリートフォトの写真家みたいなことをいってるじゃないかと思うが、あとで山本君に云ったら「そのとおりだろう!」と返事が帰ってきた。なのに、カメラの調子が悪くなる。シグマのサービスセンターに電話をして、修理に出すことにする。
  • 蓮實重彦は誰某はバカだとか何だとか悪口をいうから嫌い、ああいう研究者になっちゃいけないと思ったと、若い学者がツイッター(またかよ。見るのやめたら?)で書いていた。蓮實はじぶんの批評家としての仕事は、バカにはバカだと云うことだと心得ており、なので研究者として云っているわけではない。しかし最近の蓮實を見ていると、殴り返される心配のない悪口ばかりいっていて、全然駄目だと思う。柴田駿の追悼にかこつけて伊丹十三を揶揄してみせたり(しかもこれが何かを匂わせる程度で、なんともべちゃっと湿気た書き方。ひとが嗤う蓮實の文体は、なるほどひたすらうねうねしているが、本来はからりとしているのだ)。