• 原田眞人の『突入せよ!「あさま山荘」事件』をamazonで見る。現場のどたばたを見て笑うが、日本の組織のずるずるな駄目さが露わになって、やがて泣き笑いのような気持ちになってくる。アイリッシュ・フォーク風の音楽でごまかそうとしながらも、この駄目さを、結局は駄目なのだと描いているのは好感が持てる(篠井英介の絶叫は面白いが、それでまとめにしてしまうのは弱くないか?)。最も合理的な判断ができる人物として描かれているはずの、役所広司の演じる佐々でさえ、やがて、何でそうなったのかよく判らない空気のようなものに巻き込まれて、なぜか最前線で身を晒すことになるのだから。しかしこれではヘラクレスではなくてシーシュポスなのではないか。いや、じぶんはヘラクレスなのだとごまかしているシーシュポスなのだろう。
  • ずっと家に籠って書き物をしている。