• 青山真治が亡くなる。青山真治の映画がとても好きだったかというと、決してそうではない。見ている間は、駄目なところばかりが気になってしまう映画だった。しかし、強いて思い出そうとするのでなければ、それらの幾つかの映画たちをふと思い出す折には、とても美しくて強いショットばかりが思い出される映画でもあった。いつか、青山真治の映画についての批評文を私が書く時があるだろうか。
  • 総てを見ているわけではないが、見ないで済ますことのできる映画作家ではなかった。中野重治を読むようになったのは大江健三郎の影響だけではなく間違いなく青山真治の『すでに老いた彼女のすべてについては語らぬために』を見たせいである。ご冥福を。