• 昼からだらだらと新幹線に乗る。『アセンブリ』は荷物が重くなるので置いてきて、デイヴ・ハッチンソンの『ヨーロッパ・イン・オータム』を読む。副業・スパイに励むシェフが、レイザーワイヤーで仕切られた「マイ国家」の乱立する近未来のヨーロッパで繰り広げるビターなドタバタ。どこにでも行くけれど、どこにも出られない感じが大変好み。
  • 16時半から予約していたワコウ・ワークス・オブ・アートでのゲルハルト・リヒターのドローイング展に滑り込む。1950年代の作品も展示されていて、終末の浜辺のようなところを往く、小さな黒い人影がふたつ並んでいて、このダブルというテーマもまた、ずっとリヒターの作品にあるなと思う。ドローイングはここ数年の間に描き溜められたものばかりで、線の展開でも、やはり面と映り込みと翳りを立ち上がらせるのがリヒターだった。
  • 同じビルの中の開いているギャラリーを眺めて、コンビニで傘を買う。六本木から地下鉄で銀座に出てエルメスで田口和奈の《A Quiet Sun》展を見る。展示が上手だなと思う。フリーダの肖像を使った写真が良かった。
  • 銀座をぶらついて、地下の「ABCらーめん」に入って麻醤麺と半チャンを食べる。そのまま新橋まで歩いて山手線。御徒町の駅から少し歩いたところにあるホテルに着く。何も考えず、ドミトリタイプを除外して、風呂がついている都内のホテルを検索していちばん上に出てきたところを選んだ。