• 仕事の帰りにシネ・リーブル神戸でフィリップ・バランティーニの『ボイリング・ポイント』を見る。バリバリ仕事に精を出すような映画かと思っていたらそうではなくて、「アタマ沸いとるな」という言葉が関西にはあるが、「ボイリング・ポイント」とはこの「沸いとる」の意で、クリスマスの夜の混雑するレストランを舞台に、シェフの人生がぐつぐつ煮え立って、愈々、笛のついた薬缶のように「ピー」と鳴ってしまうまでの90分を描いている。
  • 90分はワンカットで描かれる。しかし、他ではなくこの対象にカメラが寄っていって画面のフレームを与えるということは、既にカットを割っているのだということもできる。