• とてもきれいに晴れている朝。出勤と一緒にごみ捨てに行く柚子の音を蒲団の中から聴いている。ありがとねごめんねと思いつつ、だらだら起きる。友達から誕生日祝いにもらった音楽を聴く。《kanoyouni》とてもよかった。すごくいい音の電子音が奇妙な動き方をしながらつくる流れと、その上に波乗りのように聴こえたり聴こえなくなったりしながら彼自身のヴォーカルが届いてくる。じっくり時間をかけて念入りに音楽を作る彼が、ずっとこうやって新しい音楽を今も作っていたんだということが、とても嬉しかった。
  • つまみ食いだった野村修の『ブレヒト・ノート』を頭から読みはじめる。誰にも頼まれず勝手に書く長い批評を再開させようと思っていて、対象も何となく決めているのだが、そちらの方に向けて考えを灌漑させてゆくためでもあり、結局やはり私の根っこに、ブレヒトへの強い興味がある。
  • 洗濯物を干す私のあとからついて、ベランダに「しま」がやってくる。日向ぼっこをしている「しま」に付き合って、『ソドムとゴモラ』の続きを読む。ヴェルデュラン家のサロンに向かう道で、海の見え方が刻々と変わる昂ぶり。すげぇつまんないやつがあとで来るらしいよシャルリュス男爵だって、というところで嬉しくなって本を閉じる。「しま」にうちの中に戻ろうと言うが陽だまりでごろごろしていたいらしく嫌がる。申し訳ないがそろそろ出かけたいので抱っこして運ぶ。
  • 昼から出かけて新今宮から西成のあたりをぶらぶらしながら、今池の「まんぷく」でカツカレーを食べたり古本屋を覗いたりしながら、暗くなるまで写真を撮る。