• グレイザー論の頭の部分をようやく書き始める。CDばっかり買ってどうするんだろうと思いながら、ウゴルスキの弾く《展覧会の絵》を聴いている。終わりの「キエフの大門」への辿り着き方が、子供の頃聴いていたアシュケナージの壮麗な感じと全然違っていて、辿り着いたその場所も既に霧の深い廃墟のようで、とても面白い。ストラヴィンスキーの《ペトルーシュカからの三楽章》もポリーニのそれとはずいぶん感じが違っていて、特に「復活祭の市場」の終わり方のあっけなさが凄い。鉄とガラスのひんやりしたそれではないが、エルンスト・バルラハの彫刻のような強烈なモデルニテの感じがする。音の粒は立っていて指まわりも見事だからこそ、一瞬つんのめる感じを作れるのが、とてもいい。
  • 夕方から出かけてシネマ神戸でジャック・リヴェットの『彼女たちの舞台』を見る。中学生の時に国名小劇(もう完全に閉館してしまったのを検索して知った)で見て以来。感銘を受けたことだけは覚えていたが、久しぶりに再見して、心の底から傑作だと思った。ほれぼれするようなショットやシークェンスばかりで、とても素晴らしかった。マリヴォーの上演に向けた稽古が革命のレッスンに転化する瞬間を描くと、もう総て見せたいものは見せたとばかりにいきなり終わるのも最高である。終わってからすぐに席を立ちたくなかった映画は久しぶり。
  • 帰宅してスパゲティを茹でてカレーで食べる。ウゴルスキの『ショート・ストーリーズ』を聴く。これもいい。