- 朝早くから「しま」に起こされる。あんまり早く起こされたので勘違いして柚子は一時間早く出社してしまった。洗濯物を干してから、ロスバウトの指揮する《フィガロの結婚》を聴いている。1950年代のモノラルのライヴ録音だが、のびやかな歌手の声もとてもよく捉えていて、オケもしなやかに動いていて、聴いているのがとても楽しい。三幕まで聴いて、朝飯を食べる。
- 大島渚の『愛のコリーダ』を見る。本当に隅々まで強靭な映画。とても面白い。
- 昼から出かけて大阪中之島美術館で「没後30年 木下佳通代」展を見る。いい展示だった。これだけの強度で作品を作り続けて、国内の美術館での個展は没後の今回が初めてというのは、やはり酷だなあと思った。写真作品はとてもよかった。完全にやりきったという感じがあった。そのあとの油画が、やはりいちばん面白かった。「塗ってから拭う」シリーズのあとは「拭う」ぽさが消えるが、丁寧に隅まで下塗り処理をした上から「描く」ことは「拭う」ことの陰画なのではないか。つここでも写真は続いているのではないか、などと思うが、図録は本屋で買おうと思って、絵葉書を2枚だけ買って帰る。
- 西天満へぶらぶら歩いてゆくが画廊も古本屋も閉まっている。ギャラリー白や天野画廊の入っているビルもなくなるそうだ。ディスクユニオンに寄ってから帰路。