- 朝は少しだけ写真を撮りながら移動して、「東京カテドラル」に立ち寄る。中は私だけ。席に背を丸めて坐って、あの空間に囲まれていると、とてもすっきりする。昼はバイキングだったので案の定食い過ぎた。新幹線の時間でも間に合うのは森美術館だけだったので、六本木まで出て、今日にしておいたルイーズ・ブルジョワ展を見る。ブルジョワの作品が面白くて、行ったり来たりしたせいで、「MAMスクリーン020」はもう時間がなく素通り。ルイーズ・ブルジョワは母と父から生まれてしまった、困惑と怒りで痙攣する総ての肉たちのための美術だった。その肉は男でも女でもない糞袋としての肉だ。そこから生じる痙攣が彫刻や刺繍というフォームで制御されて作品になっている。壁掛けのモニタの中で作業台の前に伏し目がちに坐って喋るブルジョワの手はずっと震えていた。自分というものへの拘泥と突き離し方が大変いいと思った。東京まで戻って帰路。帰宅して、モザイク四重奏団のモーツァルトのSQの《16番》と《17番》の入ったCDを聴く。