• 飛鳥井雅道の『幸徳秋水』の続きを読んでいる。石川三四郎が幸徳の入獄中に企画したメーデーのデモである「労働者観桜会」で「警官たちとあちこちでもみあう仲間の耳には、若い社会主義者、桜井松太郎のうちならす大太鼓の音がひびいていた。桜井はまっさきに巡査につかまり、えり首をつかまれて下谷警察へひったてられていくが、彼はその道でも首にかけた太鼓をドカドカたたき続け、巡査がバチをとりあげても、いきなりにぎりこぶしでたたきはじめ、とうとう下谷警察の門をくぐるまで、たたき続けていった」というエピソードが載っている。これ知ってるぞと思ったのだが、何で読んだのか。青山真治の映画に出てきた? 黒沢清の『大いなる幻影』の騒々しいファシストのリーダーは青山だった。