• グスタフ・レオンハルトの弾く《イギリス組曲》が今夜はとても気持ちいい。流刑地の処刑機械みたいに、何かを懸命に記しているのは判るのだが何を記しているのかはまるで判らないまま、鼓膜を震えさせ続けられている。ピナ・ナポリターノの弾くシェーンベルクの《Complete Works for Piano》を聴きながらうつらうらつしている。ときどき耳が、「何だこの美しい音は」と驚いて眼が醒めるのが面白かった。