• 家に読んでいない本なんて幾らもあるし、読みかけの本さえ鞄の中に入っているのに、図書館で大江健三郎柄谷行人の対談集を見つけて借りてくる。冒頭で柄谷は、文学には「何か未曾有の正体不明の力があるように見えた。小説は何もかも入る容器のようなものだ。自分の存在(実存)も社会も宇宙も。「文芸批評」が小説に関して始まったのも、そのためだと思う。(……)したがって、「小説」が終わると、「批評」の存在理由もなくなってしまう」、だから俺は文芸批評をやめたんだと語る。福田和也が批評だけは生き延びるんだと呼号したのは、この柄谷の認識の裏返しだったか、とふと思いつつ、中野重治について交わされる対談を読む。やはり大江は面白いとつくづく思う。
  • 積んでいた本とCDの柱が一本いきなり崩れて、肩の上から降り注ぐ。痛い。仕方がないので、また積みなおす。