• 間違いなく終わりの部分を書いているのだが、数行書くのに数日かかるようになっている。少し書くとすぐ頭の中が次に出てくる言葉を探してざわざわしてきて、そのざわざわを抑えようとして別のことをしてしまうのがいけない。晩飯を食ってから部屋で武満徹の《秋庭歌一具》を聴いている。そのままチョン・ミュンフンロッシーニの《スターバト・マーテル》を聴く。真ん中と終わりの手前にある二曲の無伴奏の合唱と独唱のパートの曲がとてもいい(特に五曲目の「愛の泉である聖母よ」)。音楽を聴いている間は書けないのだから音楽を聴かなければいい気もするが、そうでなければ机の前に坐っていられない。少しだけ書く。眠る。