• 昼前から出かけて国立文楽劇場で「第25回文楽若手会」を見る。《妹背山婦女庭訓》から「道行恋苧環/鱶七使者の段/姫戻りの段/金殿の段」と、《新版歌祭文》から「野崎村の段」で、これまで見てきた演目を仮に黄金期の大映映画だとすると、エロのこすり方とか人間の描き方がまるでロマンポルノを見ているようだった。これが「若手」が演ることの面白さなのかもしれない。《新版歌祭文》は「悪縁深き契りかや」とか話の中にフィクション(お夏清十郎)を繰り込んで「話ぢや話ぢや話ぢやわいの」と言ってみせたり鋭い台詞がぽんぽん出てくるのだが、豊竹希太夫と鶴澤友之助のコンビがよかった。今日は人形の見方がやっと少しだけ判ってきた気がする。正確には、太夫のほうばかり見ずに人形も見ながら太夫のほうも見るバランスが判ってきた、ということ。日本橋から難波まで歩いて古本などをぶらぶら。「山羊ブックス」に行ったら店がなくなっていた。梅田の堂島のジュンク堂佐々木敦の『「書くこと」の哲学』を買う。