堂山カンタービレは天候に左右されない。

  • 雨が降ったので今日は学科だったし、学校へ行くのは止して、呆然としている。午後から出掛ける。
  • 夜、十三駅でMR君と遭遇して、MT君とI嬢に迎えにきて貰い、そのまま「院部屋」に。
  • PROVOKEに委嘱したワーグナーの『パルジファル』のリミックスを聴く。電子の波のうねりと粒のアタックと、ワーグナーのうねりが共鳴し並走し分断し反発し融合し圧縮し、ひとつの海をかたち作る。MT君は「音楽の遺骨」を、さらに先に進めた。『アップデイテッド・パルジファル』と題された今作は、もっともっと聴きたい!と痛切に思った。四時間ぐらいあってもいい。
  • 髪を切っただけですよ、と云うが、I嬢は明らかに素敵に女っぽさが増していた。二度、見直したのだから間違いない。彼女の女らしさはフィルムっぽい。
  • それから、あれよあれよと駅前の路地の焼鳥屋に転がり込み、駄弁る。愉しくて仕方がない。私は批評を書くのはもうやめだ。これからは何を書いても小説だ。MR君の読みはとても鋭いし、何よりその鋭さを喋りに乗せたときの言葉の豊かさが絶品なのだ。私の父は昔、人相に凝ったことがあり、まだ小学生の私に君は三白眼なので人殺しの相だとか、私の親の癖に、君は親との縁が薄いとか、さんざんなことばかり述べ立てたものだが、そのなかで唯一の救いのような御託宣が、友達には恵まれるからそれを大事にせよ、だった。なるほど確かにそうで、私はずっと友達に助けられて生きてきているようなものである。