2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

コンラッドのヴィクトリアン・ノワール

コンラッドの『密偵』を読み終わる。ヴィクトリアン・ノワールとでも云うべきか。 大英帝国と云う名の怪物の胃袋であるロンドンに犇く、最底辺から上層階級に至るまでの、気まぐれやら私怨やら腹の足しにもならない理想やらに取り憑かれた豚たちが、湖に向か…

きょう買った新刊

ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』(訳・若島正。新潮社)

ミシマが生きていたら80歳かぁ……。

例えばこれが去年の冬なら決して信じられないことだが、帰りの電車で私の左右に座った若い女性がふたりとも、三島由紀夫の『春の雪』を読んでいた。映画の効果は大きいねえ。『奔馬』で挫折せず、ぜひ『天人五衰』までたどり着いて、あの壮絶に空虚なエンデ…

職場の居心地の良さって、何?

営業に向かおうと事務所の外に出ると、廊下の陰からいきなり飛び出してきた社長に呼び止められる。 昨日、新人が辞めたいと電話を掛けてきたそうだ。君は良いセンスを持っているからと引き止めて、今後一ヶ月は頑張ると云う約束は取り付けたとか。 些細な仕…

会議室でおべんと食べても

終日、柚子の部屋で、新しいPCの中のiTunesの整理。ティーレマンやチェリビダッケ、アバドの『パルジファル』などの裏青盤を保存のためPCに落とす。裏青盤なのに曲名がちゃんと出てきて、マニアの業の深さを感じつつ、ネットの向こう側の誰かに感謝する。

きょう買ったCD

ハインツ・レーグナーの芸術:第一期『ブラームス交響曲全集&シェーンベルク管弦楽作品集』(ベルリン放送響&ライプツィヒ放送響。ライヴ録音。WEITBLICK) リヒャルト・シュトラウス『エレクトラ』、「死と変容」(指揮:ロヴロ・フォン・マタチッチ、シ…

悪所にこそ神の救いは顕現する

昼前に起き出して遅い朝食を取る。午後から柚子と一緒に家を出て、私は三宮の眼鏡屋へ。修理するのも新しいフレームにするのも前に買ったものの半額だと云うので、眼鏡を新調した。それから梅田に出て古本屋などをぶらぶら廻る。 その後、堂島のワルティ*1に…

きょう買った書籍

村上春樹『意味がなければスイングはない』(文藝春秋) トーマス・ベルンハルト『ふちなし帽』(訳・西川賢一。柏書房)

眼鏡を破砕し、会社と仕事を考え、ロマコメを観る

朝、目が醒めると眼鏡のツルが枕の下でひん曲がっていた。直そうとして、根元から折ってしまう。古い眼鏡を掛けて出社。 前職をリストラされてからウチの会社で三年半ほど勤めた初老のS氏が辞める。氏を雇ったのは前職での経験やコネクションを期待してのこ…

眼鏡すら取る暇もなく

やっと締切を抜ける。終電車で帰宅。そのまま蒲団に倒れ込む。

遂に第2巻が!

このブログには「山文京伝」「砂の鎖」でお越しになられる方が大変多いが(ありがとうございます)、12月5日に待望の続巻が出るそうですヨ*1、御同輩! *1:http://www.coremagazine.co.jp/comic/

早寝早起に励みましょう

朝は蒲団の中で起きたり寝たりをだらだら繰り返しているうち、義姉と姪が十時過ぎにやってきて、やっと起床する。お土産に持ってきてくれた義姉の手作りのキウイ・ジャムで、トーストやヨーグルトを食べる。朝食を終えてから2階に上がり、再びぐたぐたと過…

きょう買った書籍

トーマス・メディクス『ハプスブルク 記憶と場所:都市観相学の試み』(訳・三小田祥久。平凡社)

きょう買ったCD

リヒャルト・シュトラウス『影のない女』(指揮:カール・ベーム。ウィーン国立歌劇場1955年ライヴ。ORFEO) トーマス・ベルンハルトの『ヴィトゲンシュタインの甥』の中で、私の畏敬するパウル・ヴィトゲンシュタイン氏が「ベームなんかで『影のない女』を…

きょう買った古書

ヒルデ・シュピール『ウィーン黄金の秋』(監訳・別宮貞徳。原書房) クリスチャン・マイケル・ネーベハイ『クリムト』(訳・野村太郎。美術公論社) モトコーの古本屋のひとつ、マルキ書店が店を畳んでいて吃驚するが、しばらく神戸駅の方に歩いた処に、新…

浮かれる写真。

U君が来る。 M女史から結婚式のニ次会の折の写真をごっそり送っていただく。大変バカバカしい写真ばかりで、大いに笑う。

きょう買ったCD

リヒャルト・シュトラウス『アラベラ』(指揮:ヨゼフ・カイルベルト。バイエルン国立歌劇場。DG)

表札を取り付ける

先日から懸案となっている表札を貼る。接着剤を塗りすぎたのか、郵便受けの表面をずるずるずるりと滑る。私が表札を押さえている間に、柚子がガムテープを取ってきて、固定する。 昼、柚子が出掛ける。私は部屋で、弟から借りた石川雅之の『もやしもん』を読…

きょう買った古書

許光俊『オレのクラシック』(青弓社) 蓮實重彦『ハリウッド映画史講義:翳りの歴史のために』(筑摩書房) ポール・オースター『最後の物たちの国で』(訳・柴田元幸。白水社) 鹿島田真希『白バラ四姉妹殺人事件』(新潮社)

きょう買った中古CD

イヴォンヌ・ミントン、指揮:ピエール・ブーレーズ『マーラー:リュッケルトの詩による五つの歌曲/ワーグナー:ヴェーゼンドンク歌曲集、男性合唱曲「使徒の愛餐」』(CBS SONY)

チェロを聴く

兵庫県立芸術文化センターでは面白い試みをしていて、500円で一時間の演奏会を随時開催してゆくそうだ。今回はその第一回めで、チェリストの林裕の演奏会。会場は大ホールで、建設中の際、そのがらんどうの空間に入ったことはあるのだが、落成後は初めて。か…

きょう買った古書

海野弘『ハプスブルク美の帝国:バロックから世紀末へ』(集英社)

表札を引き取る

八時、慌てて会社を飛び出し、三宮の東急ハンズへ。注文しておいた表札を引き取る。郵便受けの前に貼り付けるタイプのものなので、同時に接着剤も買い求める。 帰宅後、柚子に「外へ出て表札を貼ろう」と云うが、お互い、外の寒気に再び身を晒すのを厭うて、…

ぼくたちの好きな戦争

今日こそ早く帰宅するぞと意気込んで机の上を片づけていると、上司が「仕事の都合で行けなくなったので、もし良かったら行く?」と芝居のチケットを呉れた。 おおおおおっ、ベルトルト・ブレヒトの『母・肝っ玉とその子供たち』ぢゃねえか! 家で待つ新妻に…

きょう買った中古CD

指揮:クリスティアン・ティーレマン:ベートーヴェン『第五、第七交響曲』(フィルハーモニア管弦楽団。DG)

きょう買った新刊と、帰宅すると届いていた古書

杉本博司『苔のむすまで』(新潮社) 川村二郎『チャンドスの城』(講談社) 『リルケ/ホーフマンスタール往復書簡』(訳・塚越敏。風信社) ヘルマン・ブロッホ『ホフマンスタールとその時代』(訳・菊盛英夫。筑摩叢書)

飯守泰次郎、東京シティ・フィルの『パルジファル』を聴いた

生演奏の『パルジファル』に接するのは、恥ずかしながらこれが初めて。さて、私の座席は奮発して買ったS席で、一階D列。率直に云えば、もっと安い席で充分だった。 まずはオーケストラだが、前奏曲はただたらたらと流れるだけで、このオーケストラが『パルジ…

杉本博司は、ものすごい。

九時過ぎに宿を出て、森美術館で「杉本博司 時間の終わり」展*1を観るために、地下鉄に乗って六本木に。六本木ヒルズの地下のスターバックスでキャラメルフラペチーノのショートサイズを飲んでから美術館に入る。 端的に感想を述べるならば、圧巻。今年どこ…

きょう買った古書(どれも400円以下)

ドナルド・キーン+徳岡孝夫『悼友紀行:三島由紀夫の作品風土』(中央公論社) 倉多江美『宇宙を作るオトコ』(朝日ソノラマ) 倉多江美『倉多江美傑作集2:ぼさつ日記』(小学館) ヤン・コット『シェイクスピアはわれらの同時代人』(訳・蜂谷昭雄、喜志…

舞台神聖祝典劇前夜祭

首都高が混んで、東京駅着は八時。駅構内の片隅で、柚子が作ってくれたおにぎりを頬張り、朝食とする。その後、東京駅日本橋口店スターバックスで店員の女の子オススメの「キャラメル・モカ」を飲みながら明日に備えて『パルジファル』のリブレット(高木卓…