2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧
リチャード・パワーズ『われらが歌う時』(上下巻。訳・高吉一郎。新潮社) 「七月末日、新潮社から愈々上下巻の大ヴォリュームで待望の刊行!」と云えば、もちろん舞城王太郎ではなくてぶっちぎりでリチャード・パワーズのことなのだ。今年の残りはパワーズ…
朝起きて、ベランダの洗濯物を見ると、昨夜の蝉だろうか、私のジーンズの裾にへばりついている。それは樹幹ではないヨ。 朝から夕方まで工場。夜はもうひとつのアルバイトに行くはずだったのだが、お客さんが来なかったので、キャンセルになる。 MR君が、い…
長嶋有『泣かない女はいない』(河出文庫) 浦沢直樹『PLUTO』(第6巻。小学館) iiさんの部屋の本棚に挿さっていたのを見て、何となく気になっていた長嶋有と、一冊を、柚子と私と弟で廻し読みしている浦沢直樹の手塚カヴァー。待ち合わせた本屋で、本と雑…
昨日から、朝から夕方まで、工場で働いている。ラインに張り付いて、と云うのではなく、事務所のなかをうろうろしては、パソコンをポチポチと叩く、作業である。私の他にもうひとりが派遣されていて、彼は、58歳の独身の男性である。 彼は昨日から、来月の初…
押井守『凡人として生きるということ』(幻冬舎新書)
宮崎駿の大傑作『崖の上のポニョ』のあの部分がリアルじゃない、この部分が間違っている、とか云う話を耳にするが、そもそも映画にとって、私たちの生きる世界のリアルの仕組みや、人間としてのあり方など、どうだっていいことだ。映画のしくみと、私たちの…
夕方、歯医者に。いよいよ奥歯の治療が終わろうとしており、今日は盛大に削り取られる。次の治療で、その大穴を埋めるそうである。 帰宅後、空が黒々となって低く唸り始め、慌ててベランダの洗濯物を取り込む。壮絶な雨と雷に拙宅の壁がぶるぶると震える。し…
アンリ・バルビュス『砲火』(訳・新村猛、後藤達雄。ダヴィッド社)
「May」の『チャンソ』を見るためにシアトリカル應典院に。傑作。 そのままH監督と主演俳優氏、H監督のお友達と谷六方面にぶらぶら。たまたまH監督の主演女優氏とそのお友達と坂の上で遭遇し、再び文楽劇場のほうへ坂を下り、居酒屋に。駄弁る。 帰り道、地…
須川栄三監督『君も出世ができる』(東宝) 「♪アメリカでは」を見ていたら、若き日のノッポさんが出ていて吃驚する。
アルバイトを終えてから、独りで隣町のシネコンへ行き、宮崎駿の『崖の上のポニョ』をレイトショウで観る。さすがに最初の一時間ずっと泣きっぱなし、と云うようなことはなかったが、宮崎駿の作品群のなかでも、やはり図抜けた傑作であると云う印象は変わら…
野口武彦『荻生徂徠 江戸のドン・キホーテ』(中公新書) 大橋健三郎『フォークナー アメリカ文学、現代の神話』(中公新書) 柴田宵曲『古句を観る』(岩波文庫) 正岡子規『俳諧大要』(岩波文庫) 正岡子規『飯待つ間 正岡子規随筆選』(編・阿部昭。岩波…
PROVOKEが今月東京でライヴに参加したときの音源を聴かせてもらう。めちゃくちゃ恰好良い! わざわざ書くまでもないが、友達の作った音楽だからと云うのではない。この、音が研ぎ澄まされ、転げ廻り、闘争する26分余の展開は、すさまじい。傑作だと思う。
アンリ・ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論 時間と自由』(訳・合田正人、平井靖史。ちくま学芸文庫) アンリ・ベルクソン『物質と記憶』(訳・合田正人、松本力。ちくま学芸文庫) バーバラ・W・タックマン『決定的瞬間 暗号が世界を変え…
段ボール箱のなかから出てきたマイケル・ラドフォードの『1984』のヴィデオを、久しぶりに観る。以前観たときより、ずっといい映画だと思う。すごくよくできている。役者たちも見事。美術も撮影も極めて丁寧。私たちは皆、ウィンストン・スミスなのかも知れ…
黒野耐『戦うことを忘れた国家』(角川oneテーマ21)
映画館。ココリコの田中直樹がいる。ゴダールの『愛の世紀』が上映される。スクリーンの中央に、矩形の青い光がずっと映しだされていて、それが不規則に明滅したり、ブレたりするだけの映画だが、なかなかいいなあ、と思いながら、私は画面を見つめている。 …
ウィリアム・フォークナー『サートリス』(訳・林信行。白水社)
PCの前に向かい、ウロウロウロウロウロ……。まだ書きあがらない。書きあがらないだけならまだ構わないが(いや全然構わないことはないのだ。締め切りをずっと過ぎているのだから)書いているうちにじぶんの書いている言葉にどんどんどんどん信用が置けなくな…
真夜中ずっと、MR君から頂戴したモートン・フェルドマンの音楽を聴いている。「Coptic Light」や「Rothko Chapel」、「Why Patterns?」など、とてもいい。 図書館で借りてきた近藤譲の『音楽の種子』のなかには、雪の深く積もる田舎町で暮らす、「屡その巨体…
ロープシン『牢獄 ロープシン短編集』(訳・川崎浹。白馬書房)
早く書き終えなきゃならないのだけど書き終わらないのは何故かと云えば、書いているうちに、コレを批判するつもりだったのだけれど、コレぐらいのことは判って作っているのかな、じゃあわざわざ書かなくてもいいか、と云うような気持ちになるからで、しかし…
終日、柚子と拙宅に引きこもっている。洗い物をしたり、洗濯物を干したり、昼寝をしたり。 いいかげん仕上げなければマズい劇評を、此処数日で途中まで書いていたものを総て破棄して、イチから書き直す。クセナキスが'60年代にオーケストラのために書いた曲…
近藤譲『線の音楽』(朝日出版社) さほど状態の良くない本(某工業大学の図書館の登録抹消本)だったが千円以下だったのと、兎に角じぶんの手許に置いてページの隅を自由に折りながら読みたかったのだ。中学生の頃に、柄谷行人の『探究I』ではなく、こっち…
昼過ぎ、喩えではなく拙宅がぶるぶる揺れるほどの豪雨に驚いて目を醒まし、慌てて窓を閉める。ちょっと怖いと思うほどの雨がずいぶん長く続いた。 MR君からクリスチャン・フェネスと坂本龍一の『sala santa cecilia』を聴かせて貰う。これは素晴らしい。これ…
銀行に行き(徒労)そのまま三宮の耳鼻科に。気管まで真っ赤との由。幸い熱はないが、やっぱり風邪で、薬をどっさり処方される。古本屋を巡り、朝からカップ入りのプリンとヨーグルトをひとつずつ食べただけだったので三宮市場の「吉兵衛」でカツ丼を食べ、…
望月光『望月光のいちばんやさしい古典文法の本』(瀬谷出版) 三羽邦美『漢文ヤマのヤマ 増補改訂版』(学研) 片山杜秀『片山杜秀の本 2 音盤博物誌』(アルテスパブリッシング)
MT君に坂本龍一とalva noto、アンサンブル・モデルンが共演した、期待の『utp_』を聴かせて貰う。何だか映画のサントラ、例えば『ラストエンペラー』みたいだと思った。ベルトルッチから坂本への指示は常に「もっとエモーショナルに!」だったと云うが、最近…