日録

やらなければいけないことを付箋に書き出して貼っていったら、それなりにあって、しかもそれぞれに期日があったりするものだから、焦らず、しかし、ちょっと頑張らないといけない。 自分が思っているより自分が評価されているということもあったり、自分が考…

この頃ときどき、部屋を片付けようと思う。服を棄て、古いヴィデオテープを棄て、もうそれについて書きもせず参照もせず読みもしないだろう本を棄てようと思う。しかし、数日おきに古本屋から本が届く。古いヌーヴェル・クリティックの本だったり、写真集だ…

ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』を読み終える。面白いので、もういちど頭から読み始める。最近少しずつ批評や論文以外のもの、戯曲だとか小説を読んでいる。映画とおなじで、面白かったものは二度読むと、いろんなことが見えてくる(二度…

Netflixでアメリカ版の『ジ・オフィス』を見たりしながら次の『アラザル』の原稿を書いている。洗濯物を取り込むと、夕方から雨が降ってくる。『ハイゼ家百年』を見たせいでハイナー・ミュラーのまだ持っていなかった邦訳は全部買ったが、そのうちのインタヴ…

Twitterというのは、ここ20年でぶっちぎりの悪魔の発明だろう。糞だ。 この書き手は嫌いだなとか信用できないなと思った理由は、ちゃんとある。最近は、私の記憶が薄れてきて、そう思ったきっかけを忘れていることもある。しかし、久しぶりに、何かの拍子に…

先生の企画した講座の講師の人選が酷くて、がっかりする。玉石混交というか、本当に駄目。BOOKOFFの棚と同じ。無作為なら仕方がないが、先生の目という選択があるにもかかわらずこれではFUCKOFFだ。 夜は雨が止んだので溜まった洗濯物を真夜中に干す。

ひどい雨。職場を出て図書館に行くと、休館日だった。ズボンの裾を濡らしながら、整髪料と飲み物だけ買って、そのまま帰宅する。 先日買ったマナコルダのメンデルスゾーンの交響曲全集を聴き始める。四番と一番。PCの画面の光が眩しくて、モニタの電源を切っ…

原田眞人の『突入せよ!「あさま山荘」事件』をamazonで見る。現場のどたばたを見て笑うが、日本の組織のずるずるな駄目さが露わになって、やがて泣き笑いのような気持ちになってくる。アイリッシュ・フォーク風の音楽でごまかそうとしながらも、この駄目さ…

身体が疲労のゼリーでできているような感じが続いていて、数か月ぶりにようやく時間を作って仕事の帰りに鍼に行く。ストレスが溜まっていて、浮腫んでいるとのこと。ぶよぶよした疲れの靄の塊みたいだった身体が、ようやく分節化された気がする。

通販で頼んでおいた『マーク・マンダースの不在』の図録が届く。この展示をしている都現美は、結局今も開いていない。ぱらぱらと捲ったあと、柚子に渡すと、「マンダースの作品は、放っておくとそのまま消えてゆきそうな感じがある」という。マンダースは脆…

夜の天気予報でアナウンサーが言った、「広くおだやかに晴れたところ」という言葉が、とてもいいと思った。それは彼の読み方だったのか、語の並びが、私の記憶の中から何かが喚起された気持ちよさなのか。

昨日の夜中にクロエ・ジャオの『ザ・ライダー』を見る。小さな音、ノイズにずっと取り囲まれて生きている男の生。馬の呼気とか金具のかちゃかちゃいう音、テレビの音、夜の虫の鳴き声、iPhoneのスピーカーから漏れるかさかさしたサウンド。冒頭15分ほど見て…

夜によると、もう雨はだいたい止んでいるが、風が強くて冷たい。道に迫り出していた満開だった桜の花弁は昼間の雨ですっかり振り落とされて、黒い舗道の上や側溝の縁に分厚く積もっている。それは雨を含んでぶよぶよしているだろうと思うのだが、風に曝され…

『ラストタンゴ・イン・パリ』でベルトルッチやマーロン・ブランドは、マリア・シュナイダーに知らせずに、バターを用いた性交のシークェンスを撮り、彼女は深甚なダメージを負った。にもかかわらず、この映画の彼女は素晴らしい。芸術は残酷だ、という吐き…

「総ての黒人が暴動を良いと思っているわけではない」と書いているのをみて、当たり前だろうと思う。そんな当然のことを日々ずっと言われているようだから暴動は起きるんだろう。火事場泥棒なんか肌の色に関係なく牢屋にぶち込んだらいいと思う。しかし、そ…

ベルリナー・アンサンブルのアーカイヴ公開で、ハイナー・ミュラーが演出した《アルトゥロ・ウイ》を見ていると、私が子供のころ、こういうものが格好いいと思っていた演劇の匂いがぷんぷんする。すっかり演劇から遠く離れてしまったが、コロナ禍のせいであ…

安い古本をぼつぼつと買っている。ほぼ毎日郵便受けに封筒が届いている。持っていなかった梅本洋一の映画批評だとか十年ぐらい前のホンマタカシのムックとかサラ・コフマンとか。梅本洋一はシェローやムヌシュキンたちの演劇について書かれた『視線と劇場』…

朝起きると、鬱々苛々していたことはどうでもいい、というか、なるようになれば別にいいやと思えるくらいになっていたので、やはり眠って脳をすっきりさせることは大事だなと、柚子が心配していってくれることには従おうと思った。朝、ゴミを棄てに行って写…

仕事に行く。昼飯に食べた、前任者おすすめの弁当屋の唐揚弁当がとてもまずい。 最近、なぜか山下達郎の初期のアルバムをずっと聴いていた。『SPACY』とか『RIDE ON TIME』とか『For You』とか『GO AHEAD!』とか。神経を昂らせない、耳慣れしているものを聴…

十年以上積みっぱなしにしていた、第一次安倍内閣のルポルタージュ『官邸崩壊』を読んだ。著者の上杉隆の現在の凋落ぶりもそうとうひどいが、これは面白い本だった。 現在の安倍内閣は、官房副長官の事務方の人事で、第一次のときに官僚たちからそっぽを向か…

洗濯物を干してから仕事に。職場の近くのコンビニは、カウンターのへりに透明のビニールシートを垂らして、カネのやりとりはトレイで行うようになっていた。百均のレジ前の通路には、養生テープで印が貼ってあり、前の人と近づきすぎないようにしてある。地…

いつも昼飯を食いに通っている店はどちらも臨時休業している。しかたなくテイクアウトの弁当を買ってきて食べる。 珍しく帰宅ラッシュの時間にかち合う。ホームに滑り込んできた快速の中の混み具合を、開いたドア越しにみて、思わずたじろいでしまう。気にし…

すっきり晴れている。カメラを持ってきて、窓越しに写真を撮る。「しま」にカメラを向けると、たいてい顔を背ける。柚子のようにかわいらしく撮ることができない(岩合さん曰く「いい写真を撮ろうという邪念が、猫を警戒させているのだ」)。彼女の朝ごはん…

ずっと雨。じっとりとしんどい。傘を差してゴミを棄てに行くが、今日は収集車が早かったみたいで、ゴミ袋を家に持ち帰る。原稿を書くためにテキストを広げる。少しだけ本を読む。YouTubeで馴染みの音楽をぼーっと聴く。「しま」と少しだけ話す。もう夜になっ…

雨。昼の休憩はファミレスでとる。テーブルは間引いてある。向かい合って坐る爺さんと婆さんがグラッパの赤ワインを呑みながら素顔を曝して大声で喋っている。そのずっと奥の席には、やはりひとつのテーブルに若い男女が坐っている。彼らはマスクをして、何…

今朝はハンブルク州立歌劇場の《パルジファル》をぼーっと眺めている。このところあちこちの歌劇場が《パルジファル》をアップしていて、それをつまみ食いしている。コロナの時代の音楽としての《パルジファル》。ずっと治らない傷口から血を流し続けながら…

朝起きて洗濯機を回す。洗濯物を干しにベランダに出る。「しま」は私を先導して先に階段を登る。「しま」がコンクリの床の上で日向ぼっこをしている隣で、今村仁司の『アルチュセール』のイデオロギー論のところを読む。 昼前に、先日あちこち回ったが店舗に…

仕事をして帰る。山下達郎の『SPACY』を半分だけ聴く。 柚子が作ってくれた焼きそばを食べて、そのあと少し何か書いたり読んだりしようと思うが、風邪っぽいのではやく眠るという柚子と一緒に、開架のソファから「しま」も連れてきて、眠る。 画廊は閉まり、…

職場から、すっかり疲れて帰宅する。今朝は、ぱっちり目覚めて快調だったが、今日の仕事に対して、やはり眠った時間が短すぎたようなので、夕食のあと、さっさと蒲団に潜り込む。眠りもまた、コミュニストたちがいうように、量は質に転化するのだ。

朝起きて、今日は仕事が休みではないことに、なんとなく釈然としないまま、出社する。 仕事を終えてから駅前の古本屋の百円棚を覗いたら、まだ『鏡の国の戦争』も『高貴なる殺人』も並んでいたので、たぶん「しま」しか入れない部屋の隅のどこかにあるはずだ…