2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

新今宮まで行って写真を撮ろうと環状線に乗っていると、見る間に空が濃灰色になって、土砂降りになる。車掌が慌てた声で窓を閉めてくださいと車内放送がある。傘もないし降りても撮れないので、そのまま本を読みながら何周かして驟雨をやり過ごし、大阪で降…

仕事を終えて本屋を覗く。もうここ十年以上私は彼のまったくよい聴き手ではなかったのだからと自制していた坂本龍一の『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』を、ぱらぱら捲っていると、やはりどうしても読みたくなり、買う。

洗濯物を取り込んだり干したりしてから、シネマ神戸でJLGの『カルメンという名の女』を見る。久しぶりに見るとそうとう『カルメン』の映画化だった。カルメンがショーツを服を全部着てから履くのがよかった。俳優としてのJLGの面白さと、JLGの映画に出てくる…

昼からシネ・リーブル神戸でアレクサンドル・ソクーロフの『独裁者たちのとき』を見る。ほぼアニメーションと言っていいだろう映画。独裁者たちが横一列に並んでいるコーチュラみたいな岩壁の舞台にゼリー状の兵士たちや群衆やらが津波のように押しかけて、…

真夜中に、EMI時代のベルチャ四重奏団でブラームスの《第一番》を聴いて、ポリーニの弾くシェーンベルクの作品集を聴いている。

シネ・リーブル神戸でトッド・フィールドの『TAR/ター』を見る。俳優たちは楽しそうでカメラはきれいだが、思わせぶりが過ぎる。思わせぶりをいいことに、勝手にこじつけて、ああだこうだ自分の好きなことを言えるのがいい映画なのではない。映画を何かを言…