2023-11-21 ■ 映画 真夜中に大島渚の『白昼の通り魔』を再見する。ミナミの盛り場から始まってどんどん背景が真っ白になってくる川口小枝と小山明子の対峙がものすごい。『悦楽』の湯浅譲二の音楽もよかったが、この林光の音楽もとてもかっこいい。『悦楽』に続いて撮影は高田昭。とても好み。
2023-11-13 ■ 日録 大島渚の『忘れられた皇軍』で《チュニジアの夜》が使われていたので、アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズの『At the jazz corner of the world』の一枚目を堂島のディスクユニオンで引き取ってきたらとても良くて、繰り返し聴いている。
2023-11-06 ■ 映画 日録 朝起きてTVを点けたらすかんと寒い空を背景に、斜面を滑り降りてくる男を少し離れて捉えている、いい黒白の映像が映っていて、思わず凝視しているうちに男は三國連太郎で、これは内田吐夢の『飢餓海峡』だと判る。ずいぶん前に見たのだが、もうすっかり忘れていて、そのまま引き込まれて最後まで見てしまう。終わるともう正午で、名古屋に行こうかと思っていたが止めて、家で本を読んだり靴を磨いたりしている。DVDで大島渚の『悦楽』を見ている。これも面白い。
2023-10-31 ■ 日録 古本屋から安く買った本が届く。鉛筆で傍線がやたらと引いてある。真面目なバカだったらしく、それなりに分厚い本なのに、どうでもいいところに引いてある傍線が終わりまで続く。IVEの『MINE』をリピートで聴きながら、消しゴムで消してゆく。大江健三郎が小林秀雄にもらった本には、ぴっと一箇所だけ、線が引いてあったという話を読んだことがあるが、そんな見事な傍線や書き込みと出会ったことはない。 リアルタイムで新作の公開を映画館で見ることができたのは、キューブリックでさえ二本なのに、大島渚は『御法度』だけだった。
2023-10-22 ■ 日録 柚子は免許証の更新に出かける。私は来年らしい。朝からとても気持ちよく晴れていたので「しま」がベランダに出ようと鳴く。硝子戸を開けて私は縁に坐り、大島渚のアメリカでの、戦争映画についての講演録「戦後五十年映画百年」を読む。「しま」は温まったコンクリの上で、ころんころんとくねって、憩っている。 ソクーロフの大島渚のドキュメンタリは1995年に撮影されて、1999年の段階で「こんなに長引いているのは、自分でも残念に思っています。私の生涯でも初めてのことです」と語っていて、完成するんだろうかとか思いながら『飼育』を途中まで見る。