• コンビニで買ったタピオカミルクティを飲んでいたら最後に残ったタピオカのひと粒を強く吸って喉の奥にぶち当ててしまい、痛い。帰宅してテレビでニュースを見ていると日本国民であることを日本国の政治家に馬鹿にされているようで苛々してくるので、パリ・オペラ座の《モーゼとアロン》をデッキに突っ込んで見る。カステルッチのこの演出はかなりいいと思う。フィリップ・ジョルダンの指揮もシェーンベルクの音楽の面白さをとてもクリアに伝えている。

  • 朝、栄のホテルを出て、写真を撮ってあちこち歩きながら名古屋駅まで出る。毎日ガイシホールまでSKEのライヴを見に行く仕事ならいいのだが。
  • 昼の部は緩い。終わってから金山まで戻り、写真を撮る。バッテリーが切れたので、駅前の中華料理屋で台湾ラーメンを食べる。
  • 夜の部の松井珠理奈卒業コンサートは、ものすごいものを見たという感じだった。
  • 野島樺乃がソロで歌った《泣きながら微笑んで》と、井田玲音名がセンターを担当した《思い出以上》がめちゃくちゃ素晴らしかったのはさて措き、まるで「忠臣蔵」を見ているかのようだった。
  • 最後のスピーチの直前から、珠理奈が名古屋弁まるだしで喋るのに驚いていると、スピーチが始まり、彼女が真っ先に言葉を掛けたのは、外のファンにではなく内のSKEメンバーに向けてだった。
  • 愛憎が激しく渦を巻いているようなスピーチのあと、やがて、珠理奈はメンバーたちの作った人垣の間を、諭し、慰め、声を掛けながら進んでゆき、暗い穴倉に入って、消える。
  • 珠理奈を見送っているメンバーたちはこのとき、紅白の時の《不器用太陽》の血飛沫のようなオレンジに染まる装束を身につけている。珠理奈が去ったあと、メンバーは珠理奈の作詞した《オレンジのバス》を初披露して歌う。これが珠理奈の辞世でなくてなんだろう。
  • 最後の最後まで、メンバーとSKEのことだけを、オブセッションのように考え(捉われ)続けて、そのまま消えていった松井珠理奈。あまりにも重すぎるとこれを嫌う人もいるだろう。彼女が背負ったのではなく、背負いこませたということもできるだろう。しかし、ここまでやりきった人もいないだろう。
  • 昨日、鳥籠に乗って垂直に昇っていった高柳明音と、暗い地面に降りていった松井珠理奈。SKEへの愛は人一倍だったふたりだが、あまりに対照的な幕切れだった。どちらがより胸に迫ったかと言えば珠理奈だが、これは私の好みだろう。
  • 帰宅して、そのまま居間で眠ってしまう。

  • 夜の天気予報でアナウンサーが言った、「広くおだやかに晴れたところ」という言葉が、とてもいいと思った。それは彼の読み方だったのか、語の並びが、私の記憶の中から何かが喚起された気持ちよさなのか。

  • TWICEの『Eyes wide open』はポップスのアルバムとして、とてもいいと思う。坂本龍一のポップスの試みのような《HELL IN HEAVEN》とかシティポップみたいな《SAY SOMETHING》とか本当に佳曲ぞろいで、しかも《BEHIND THE MASK》という曲で終わる。

  • 昨日の夜中にクロエ・ジャオの『ザ・ライダー』を見る。小さな音、ノイズにずっと取り囲まれて生きている男の生。馬の呼気とか金具のかちゃかちゃいう音、テレビの音、夜の虫の鳴き声、iPhoneのスピーカーから漏れるかさかさしたサウンド。冒頭15分ほど見て、寝る。帰ってから見ようと思っていたら、帰宅が夜中になり、配信は終わっていた。ネットフリックスは、じぶんのDVDコレクションをクラウドに預けてあるような気持ちだったが、そうではなくて、やはり映画館か貸ビデオ屋なのだ。しかも、貸ビデオ屋と違ってブツがないから、見逃したらDVDで買って追いかけるができない。面倒くさい話だ(『ザ・ライダー』はamazonプライムでレンタルできるそうだ。借りるだろうか)。

  • 梅田芸術劇場で《エリザベート》の25周年記念ガラコンサートを柚子たちと見に行く。春野寿美礼のどこまでも伸びる歌を聴いていると、ぞくぞくする。蘭乃はなの子供シシィや和央ようかの吃驚するほど自信満々の歌いっぷりや、大空ゆうひの実直な芝居や、とても生真面目な水夏希白羽ゆり彩吹真央のトリオを見ていると、熱心に宝塚を見ていたころを思い出して、とても懐かしくなってくる。
  • 終わって、お茶を呑みながらSさんが、舞台を見るときはオペラグラスをできるだけ使いたくないという。宝塚を見るようになってからすっかり私も使うようになったのだが、とても判る感覚だった。オペラグラスを覗き込んでいるとき、おなじ空間を共有して今舞台の上に立っている生身の俳優であるというよりもむしろ、映像になるからだ。

  • 夜によると、もう雨はだいたい止んでいるが、風が強くて冷たい。道に迫り出していた満開だった桜の花弁は昼間の雨ですっかり振り落とされて、黒い舗道の上や側溝の縁に分厚く積もっている。それは雨を含んでぶよぶよしているだろうと思うのだが、風に曝されて水は飛んでしまったらしく、踏み分けて進むと靴の下でさくさくと乾いた音を立てた。
  • ロヒンギャ危機』を少しと『ホロコーストと国家の略奪』を少し読む。ヤンゴンの第一医科大学学生連盟の発した、ロヒンギャへの虐殺のときに「目を瞑ったために、今日のような残酷な不当行為が行われ、その結果を被ることとなった」との声明をネットで読んで、ナチは東部での殺戮や蛮行を戦線の後退に伴って西でも行うようになったのを思い出す。
  • 庵野秀明にはどうせなら『シン・ラブ&ポップ』を撮ってほしい。NHKの『仕事の流儀』は、何より本棚にモザイクがかかっていたのが猛烈に萎えた。
  • ベルチャ四重奏団のブリテンのSQ3のCDを出してきて聴く。こんな不思議な始まり方をするのだったかと驚く。