2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧
廣松渉『世界の共同主観的存在構造』(講談社学術文庫) カトリーヌ・クレマン『フロイト伝』(訳・吉田加南子。青土社)
今日も朝からヨッフム指揮の『トリスタンとイゾルデ』を聴いている。とても良い。 フィリップ・マヌリの作る音楽が、この頃とても気に入っていて、よく聴いている。ケージもブーレーズもシュトックハウゼンもクセナキスも出てきてしまったあとで、現代音楽を…
昼過ぎ、姑の病院へ。帰りに初めて入る「天下一品」でラーメン(並こってり辛子味噌たっぷり)を食べるが、ハズレ。テーブルで読んだ『週刊文春』*1に載っていた、「秋の新ドラマ「あ〜つまらん大賞」発表」と云う記事の、言葉の弾み方が実に面白くて、書き…
じぶんでは信じられないほど朝早くから起きて宝塚へ。春野寿美礼のさよならショウを見たくて大劇場のなかで、当日券の抽選に並ぶが、何がないって、私には籤運と云うやつがなく、今朝も奇跡は起らず。もう此処で春野寿美礼の舞台を観ることは二度とないんだ…
シアトリカル應典院で、シアターシンクタンク万化の新作『多勢に無勢2 〜刑事たちの挽歌〜』を観る。 美浜源八の脚本は描くものが明らかに変わってきている。これまでの彼の作劇の方法や人物の造型は、あからさまなジュブナイルであり----彼の好む表現ならば…
F・W・ムルナウ監督『最後の人』(紀伊國屋書店) ロバート・アルドリッチ監督『キッスで殺せ』(紀伊國屋書店)
『ドビュッシー「海」/「夜想曲」より「雲」、「祭」/「牧神の午後への前奏曲」/細川俊夫「循環する海」』(指揮:準・メルクル、フランス国立リヨン管弦楽団。NAXOS)
野矢茂樹『大森荘蔵 哲学の見本』(講談社) 連城三紀彦『黄昏のベルリン』(講談社文庫)
雨。 雨が止んでから、夕方、姑の病院へ葡萄を持ってゆく。その途次、古本屋を一軒見つける。漫画が中心。 寝台で配膳の夕食を摂る姑と駄弁っているうち、会社を退けた柚子が来る。 帰宅後、饂飩を茹でて、ふたりで食べる。
ベランダの金魚金銀に餌をやる。水面を見つめているが、水草の影の下からなかなか姿を現わさず。諦めてそのまま洗濯物を干して、ふと再び目を落とすと、赤い塊がふたつ、ゆらゆらと縺れ合いながら、水面の餌を啄んでいる。 おでんを持って姑の病院に行き、や…
久生十蘭『久生十蘭「従軍日記」』(翻刻・小林真二。講談社)
『ヘンデル:九つのドイツ・アリアほか』(ソプラノ独唱:ドロテア・レッシュマン。ベルリン古楽アカデミー。harmonia mundi) フィリップ・マヌリ『天国と地獄のパーティション、ジュピター』(指揮:ピエール・ブーレーズ。アンサンブル・アンテルコンタン…
昼前まで父親の家で。 朝、父が茹でてくれたスパゲッティを食べる。アルデンテと云うものを子供の頃の私がはっきりと知り、母の茹でる饂飩みたいなものとはまるで異なるパスタの茹で方があると云うのを知ったのは、やはり父親が台所に立って作ってみせたスパ…
ハイナー・ミュラー『ハムレットマシーン シェイクスピア・ファクトリー』(訳・岩淵達治、谷川道子。未来社) モードリス・エクスタインズ『春の祭典 第一次世界大戦とモダン・エイジの誕生』(訳・金利光。TBSブリタニカ) ライナー・マリア・リルケ『オー…
朝の六時、新宿に着くとネットカフェに入り、小さな薄暗い個室で、明日のためにストローブ=ユイレの『モーゼとアロン』を観たり、メールチェックをしたりする。ひとつひとつの画面の緊密さと、キャメラの移動の純朴すぎるほどの愚直な美しさに感心せざるを…
ジャン・バラケの「エチュード」、五分強ほどの小品だが、めちゃくちゃ凝縮されていて非常に格好良い。 近所の美容室に卵を買いに行ったり、姑の蒲団を干して入れたり、柚子が用意してくれていたナンとキーマカレーを昼食に食べたほかはずっと部屋で、殆どそ…
昼過ぎ、病院に義姉、会社を早退けしてきた柚子で集まる。姑も含め、担当医ふたりから検査の結果が報告される。姑への、いわゆる「告知」である。 医師が、肺が小細胞癌であることなどを説明すると、姑は冷静なふうで、「片方、肺をばさっとやってもらうこと…
クリスティアン・フォン・クロコウ『女たちの時 ドイツ崩壊の淵で 1944-1947』(訳・大貫敦子。平凡社)
久しぶりに小林秀雄をつまみ食いして唸ったり、日曜のために、ジョージ・スタイナーの『言語と沈黙』のなかに収められた「シェーンベルクの『モーゼとアロン』」を読んだりする。出来すぎた話。 シェーンベルクは一九三〇年五月にベルリンで『モーゼとアロン…
ジョージ・F・ケナン『ジョージ・F・ケナン回顧録』(上下巻。訳・清水俊雄、奥畑稔。読売新聞社)
田中フミヤ『via』(TOREMA RECORDS)
MR氏から借りたフィリップ・マヌリの「プルートン」を朝からずっと聴いている。かなり愉しい、気持ちが良い。 夕方から出掛けて、姑の病院と、慌ただしく梅田を経て、三宮駅前でU君と、彼の合気道道場の仲間であるIch氏と会う。そのままU君行きつけの「ビス…
夕方からMR邸で「堂山カンタービレ」第五回。 MT氏とI嬢がどういうふうに作曲を始めたのかと云うことなどを訊く。 I嬢の履いている靴下が怖ろしく可愛らしい。足の指の部分が一本ずつ分かれていて、それぞれが魚になっており、その上の甲のあたりでは、猫た…
夜になってから柚子と出掛ける。そのまま私ひとりで難波まで出て、スティーブン・ソダーバーグの『さらば、ベルリン』*1をやっと観る。 タランティーノが『デス・プルーフ』で、'70年代映画の怨霊を現代に引っぱり出してきたように、ソダーバーグは、'50年代…
許光俊、鈴木淳史編『クラシック・スナイパー 1 特集:失恋の美学』(青弓社)
姑の病院に寄ってから、新開地に出て、神戸アートビレッジセンターで、諏訪敦彦『不完全なふたり』*1をようやく観る。 男と女は夫婦である。結婚から十五年が経っている。子供はいない。ふたりである。男から別れを切り出して、女も、それを許諾したようであ…
萩原延壽『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄 1 旅立ち』(朝日文庫) 萩原延壽『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄 2 薩英戦争』(朝日文庫) ウラジーミル・I・レーニン『帝国主義論』(訳・角田安正。光文社古典新訳文庫) フランシス・ウィーン『マルクス…
ウィンストン・チャーチル『わが青春記』(訳・佐藤亮一。旺文社文庫)
朝、義兄の運転する車で、義姉と姪、柚子と共に姑の転院した病院へ。姪(三歳児)は帰りたがり、少ない語彙を溢れさせ、さっさと出よう、水族園へ行こうと喚き、義姉夫婦はすぐに帰る。ガキを育てるのは私には無理だと、つくづく。まぁしかし、幼児には怖ろ…
多田督知『日本戦争論』 A5の薄い小冊子。焼けた表紙にはタイトルと著者、そして「秘」が印刷されているだけ。出版社等の記載はなく、扉に「昭和十三年二月、首相官邸に於ける「思想戦講習会」の講義速記に幾分の補筆を為したるものなり、従って著述としては…