2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

帰り道は雨。家に近づきながら雨脚はますます強くなる。スーツの裾が濡れる。柚子に晩ご飯を作ってもらって食べてから、大島渚の『少年』を見る。冒頭の、やっと涙を流すことのできた少年が、屋台で焼きそばを食う父と母に寄ってゆくところまで。たった数分…

洗濯物を干す。「りずむぼっくす」の芦屋店に寄る。棚から武満徹の『水の風景』を買う。写真を撮りながら歩いて芦屋市立美術博物館に。「art resonance vol.01 時代の解凍」展をようやく見る。エントランスホールいっぱいの髙橋耕平も藤本由紀夫の空間も悪く…

「しま」を病院に連れてゆく。調子は良いので点滴もなし。「しま」は診察台から鞄の中に勢いよく飛び込む。 駅まで行ってから、財布を忘れてきたのを思い出して戻る。昼は堂山の「名門」でAセットを食べる。ディスクユニオンで取り寄せたCDを引き取る。天王…

昼から義父の25回忌と義母の17回忌の法事。柚子の整理整頓と掃除のおかけで滞りなく終わったが、家中の様子が変わって「しま」が爆睡している。私も会食から帰ってきてとろとろと昼寝。魯迅の『故事新編』を読む。1926年に書かれたらしい「剣を鍛える話」と…

夜中に目が覚めて、「しま」が窓際からこちらを見下ろしている(月明りをバックに尖った耳がふたつぴょこんと見えた)のを見つめ返す。柚子が会社に行くのを見送って、「しま」と蒲団で、日高勝之編著『1970年代文化論』所収の同「大島渚と蓮實重彦」を読む…

グレー混じりの堅いブルーの上にいろいろなかたちの雲が重なっていて、朝の空はきれいだが、とても寒い。去年手袋をどこにしまったのか思い出せない。ときどき行く古本屋は、今日はいつもふたりで坐っている店番の、おばあさんのほうがいなかった。

行き返りの電車の中で、大島渚が昭和四〇年代の後半に、映画雑誌ではないあちこちの媒体で書いた、短めのエッセイばかりを集めた『青春について』を読む。文筆家としても脂の乗っている時期で、ネタとしては別の本で語られていることもあるが、どれもすっき…

朝から抽選で当たった県美の野口里佳さんのワークショップに参加する。自分でピンホールカメラを作って、写真を撮るのだ。暗室で印画紙を切り(私の隣が島袋銀河さんだったのだが、慣れた手つきで迷いなく、さささっと名刺大に切ってゆくのには舌を巻いた)…

会議のあと慌てて梅田まで出て、マクドナルドでポテトのMサイズを買って歩きながら食べて、ペットボトルの桃の紅茶で薬を嚥みくだし、フェスティバル・ホールに着く。大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会を聴く。指揮は尾高忠明。武満徹の《オーケスト…

今日は天気が悪いのは昨日から知っていたので、ぐずくずと昼前まで眠って「しま」に起こされる。「しま」は便通も良く見違えるほど元気。 大島渚論を書こうとしてコピーの束と本ばかり増える。中原弓彦の「喜劇映画の衰退」の冒頭の「見逃した方が多いと思う…

今朝は「しま」が寝室の窓際で憩っていたので、階下の居間の暖房も付けっぱなしだが、こちらもそのままにして家を出る(帰宅すると、やはり寝室の私の蒲団の中で丸まっていた)。薬を吞み忘れて家を出てしまった。 駅の自動改札で新しい財布に入れた定期をタ…

ずっとコムデギャルソンの二つ折りのファスナーなしの財布を使っているのだがもうくたくたになっていて、しかしどうしても気に入るものがなく、そのままにしていたのだが、先日、梅田の阪神の七階で見て、久しぶりにとてもいいと思ったものがあり、調べたら…

朝から健康診断。準備万端で行くが、昼前に終わるとくたくたになっている。検査の待ち時間には村上由鶴の『アートとフェミニズムは誰のもの?』を読む。すらすら読めるが、「アートワールド」の「社会化(しつけ)」のくだりなどで、やはりハッとさせられる…

帰宅してから慌てて晩ごはんを食べる。明日は健康診断があるので、21時までに食べ終えねばならないからだ。蒲団に寝転がって丸山眞男の「肉体文学から肉体政治まで」を読んでいると少し眠ってしまう。U君と零時過ぎまで話す。

昼前にだらだらと起きると柚子から「しま」が昨夜からちょっと調子が悪かったことを聞かされる。土曜だが、いつも行く動物病院は一日開いているらしく、まだ午前診察が間に合う時間だったので、慌てて準備をして「しま」をリュックに入れ、三人で歩いて病院…

仕事のあと、堂山のディスクユニオンでCDを引き取ってから環状線で福島まで出て、ザ・シンフォニー・ホールの日本センチュリー交響楽団の第278回定期演奏会(指揮は飯森範親)を聴く。開演前にロビーで、ユースオケのメンバーがリゲティの《六つのバガテル》…

仕事のあとシネマ神戸でデイヴィッド・フィンチャーの『ザ・キラー』を見る。マイケル・ファスベンダーがヨガで身体を整えながら最初の狙撃を待っている間に眠くなるが、ひたすらモノをあちらからこちらに移してゆくお仕事映画として、とても楽しかった。弁…

神島二郎を読んでいるうちに、丸山眞男をおさらいしておかなければと、いちばん軽い『丸山眞男セレクション』を引っ張り出してきて、「超国家主義の論理と心理」を電車の中で読みはじめる。通勤鞄の中には、返事を書くつもりで、頂戴した年賀状も入れてある…

帰宅すると寒さのせいかもう眠くて眠くて、届いたばかりのフィリップ・オードワンの『シュルレアリストたち』を持って蒲団に入るが、数頁も読まないうちに前後不覚。

仕事の帰りにミント神戸のOSシネマズで北野武の『首』を見る。 緑の川の浅瀬で、切り株のようになった兵隊の首を食っている真っ赤な蟹のショットからふと『ツィゴイネルワイゼン』を思い出すが、この映画の緑とは、利休の椀の中の抹茶だろう。利休の茶で媒介…

このところずっと家で溜め込んだ大島渚のDVDを見ているだけだったので、久しぶりに映画に行こうと思うが、もう今何をどこでやっているのかも判らない。あれこれ調べながら洗濯機を回す。風呂に入って、午後から出かけて、シネ・リーブル神戸でケリー・ライカ…

今日から仕事。蒲団の中で本を読んで、そのまま寝て、また読んで、の繰り返しは最高だったが、久しぶりに仕事に行くと、やっぱり仕事に行っていないと私はおかしくなるなと思った。 中原弓彦の『世界の喜劇人』を読み終える。いい批評文を読んだなあとつくづ…

ぐずぐずと休み明けの仕事のことなど考えだして眠ってしまったせいで、あれこれって夢じゃなくて本当だっけ?あとで手帖確認してみなくっちゃ式の重ったるい変な夢を見て起きる。 午後過ぎから柚子と実家に。家の中の猫たちは四匹になっていた。

今朝も「しま」はいつの間にか寝室にやってきていて、窓際で眠っている尖った耳の先がふたつ、その下で寝ている私には影絵のように見える。「しま」とふたりで柚子より先に起き出して、あんぱんを食べて、お重を引っ張り出してきてお節を突く。TVでマキノ雅…

今年は辰年だ。 風呂に入ってまた蒲団に潜り込んで中原弓彦の『虚栄の市』を読んでしまう。語り手に手を曳かれて、1960年代の東京の前衛やらメディアの薄暗い盛り場を笑いながら眺めて、ぐるぐる降りてゆくうち、すごく残酷で冷え切った底に連れてゆかれ、取…