音を聴く、本が来る。

  • 洗濯を済ませてから、MR君から頂戴したパーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィル管のベートーヴェンの『第四』、『第七』を聴く。愈々、彼らが奏でる音楽は本物だと確信する。『第三』は偶々よかったのではなく常に、よく弾み、よく歌い、音の作りの見通しは非常によいが決して薄っぺらさはなく、表情の変化は劇的で、響きは滑らかに拡がる……こんなふうな音楽を作っているようだ。しかも『第四』の第四楽章の怖ろしいほどの疾走具合は、池田亮司の『Test pattern』の最後に収められた「16test pattern#0000」さえ思わせるし、『第七』の第二楽章のしっとりと柔和な響きは蕩けるようだ。ピリオドの賢しらさもモダンの胃もたれもない、私にとって、ようやく巡り合えた理想的なベートーヴェン演奏である気がする。