• INCAPACITANTSの『as loud as possible』を聴きながら、聴覚にも、視覚のようにフレームがあるのではないかと思う。ジャンルを問わず、私が好きな音楽は、どれも共通して、この聴覚のフレームの中が、みっしりと充たされていると気づいた。この頃ずっとオーケストラの音楽より弦楽四重奏曲を好んで聴いていたのは、どうしても音の織物として粗い部分もあり得るオーケストラの音楽に対して、妙手のクァルテットの演奏のほうが、その沈黙も含め、目が細かく、密に折り重ねられているのが心地よいからなのではないか。