耳が変わった。

  • ふと、最晩年のフルトヴェングラーがEMIで録音した『トリスタンとイゾルデ』を引っ張りだしてきて、聴き始める。以前聴いたときは「ふーん、こんなもんか」と思って放り出していた録音なのだが、久しぶりに聴くと、とても良いと感じる耳に変わっていた。フラグスタートの声も以前は、何だか大袈裟なようで好きではなかったのだが、やはり、このイゾルデと云うキャラクタの或る一面(それは高貴であると云うことだろう)を、素晴らしく見事に表現していると思った。