• 芦屋市立美術館で「限らない世界/村上三郎」展を見る。
  • 四国三郎は日本屈指の暴れ川のひとつである吉野川の異名だが、村上三郎もまた凄まじい激流である。村上三郎と言えば紙破りで、それは紙を突き破って飛び出してくるパフォーマーと、そのアクションの痕跡としての穴の開いた紙のことばかりが語られるが、しっかりと作られた枠がなければ、紙破りのアクションに耐える紙を張ることはできない。村上三郎の美術は、この奔流を受け止める枠をうまく設定できたとき、俄然輝く。