• 前川恒雄の『移動図書館ひまわり号』を読み終える。末端から中央に向かって橋頭保を地道に広げてゆくシステム形成の革命への、前川の自負も脅えも書き込まれている。もう二度と繰り返されることはない奇跡の軌跡の書として、教条的に祀り上げて読むのではなく、ここから何を新たに生産できるか(何が可能性のまま埋まっているのか)を自由な批評の手法を用いて、大胆に掘り返して読むべき一冊だろう。まだまだ使えるとてもいい本だった。