『断絶』をみる

  • DVDでモンテ・ヘルマンの『断絶』をみる。大好きな『銃撃』と同じく、此処でもモンテ・ヘルマンは、映画が映画でなくなる瞬間まで、自身のフィルムを追い込む。
  • 女の子がクルマに乗り込んできて、映画が駆動し始めるのだが、見ず知らずの女の子がクルマに乗るにはどういうふうにするのが自然であるか、たぶん普通の映画の作り手なら考えるだろう。しかし、モンテ・ヘルマンは、女の子が画面のなかへ入ってきて、クルマの横へやってきて、ドアを開けて、そのままするりと座席に坐らせて、それを達成する。極限まで作為を排したそのありかたに、呆気にとられる。