モリコーネよりマユズミでしょ

  • 咳が出るので、昼は実家の近所の耳鼻科へ。鼻炎持ちなので、子どもの時から風邪をひくといつも此処に行く。一週間ぶんの薬を貰って実家に。弟から『のだめカンタービレ』の新刊を借りて、帰りの電車の中で読む。のだめは「まだ間に合う」のか? 次巻からの展開が非常に楽しみ。
  • 午後から部屋に戻り、引越作業の続き。しかし、到底じぶんだけでは終わらないことをやっと悟り、旧友のIくんに救援信号を送る。風邪をおして出てきてくれたIくんのおかげで一気に片付く。積み残していた本の殆どは、彼が詰めてくれた。大感謝。
  • 荷物を作っていたら出てきた、黛敏郎の『「涅槃」交響曲』(指揮:ウィルヘルム・シュヒター、NHK交響楽団)を久しぶりに聴く。異形の交響曲。非常に面白い。戦前の音楽のモダニズムの偉大な達成が大澤壽人(『「神風」協奏曲』など)であるなら、黛は戦後のそれであろう。大友克洋の『AKIRA』に出てくるミヤコさまの神殿は、建築に於ける戦後モダニズムの頂点を極めた丹下健三の代々木オリンピック・プールの意匠だが、あの神殿で鳴り響いている音楽は、たぶんこれだろう。
  • 私がいちばん好きな映画音楽のコンポーザーは、黛敏郎である。「『題名のない音楽会』の司会の右翼のオッサンだろ!?」と云う偏見で、遠ざけていた黛の凄さを知らされる原因となったのが、市川崑中平康、そしてあの最高に素敵な和製ミュージカル映画須川栄三の『君も出世ができる』等のサントラを通してなのだから。例えば武満徹などに比べて、現在の黛敏郎の評価は低すぎるのではないのだろうか? そしてナクソス黛敏郎はいったいいつ出るんだ? 
  • 『「涅槃」交響曲』を聴きながら寝てしまう。I君、きょうは本当にありがとう。君のおかげで、どうやら今回の引越は無事に終わりそうです。