子どもの頃はオペラの演出家になりたかった

  • 先日、本屋で『GRAND OPERA』のバックナンバーをぱらぱらやっていて初めて知ったので今更だが、去年のザルツブルク音楽祭ロバート・カーセンが演出した『ばらの騎士*1が、時代設定を18世紀から第一次大戦勃発の直前、つまりハプスブルク家の帝国がグスグスに崩壊しつつある日々に移し替えていて、とても私の趣味にぴったりなのだ。
  • 雑誌に載っていた上演の写真を見ると、第一幕は祝祭劇場の広い舞台に、端から端まで元帥夫人邸の断面が建てられていて、メインのドラマが進行している隣室でも、無数の人物の動きがあると云う演出。オックス男爵はオーストリア帝国の軍人として登場し、ファーニナルの生業は兵器商で、第三幕の居酒屋は裸の女たちと軍服が犇く将校用の高級売春窟に! オクタヴィアンとゾフィーが抱き合うラスト・シーンでは、元帥に率いられた軍隊が舞台を埋め尽くすとか。まるでシュトロハイムの映画じゃないか。これは観たいぞ。認識の古い評論家チェンチェイの評判はいまひとつなようだが、オーストリアではTV放映されたらしいし、何とかDVDにならないかなァ。舞台の映像記録と云うものが、実際の上演の影程度になるのは了解しているがね。影でも見られないよりは良い。
  • 15時間以上も会社にいるのは精神衛生上、大変よろしくないですな、御同輩。晩飯はKFCのチキンカツサンドセット。終電で帰宅。今夜も帰るなり柚子の隣に転がって眠り込んでしまう。

*1:http://www.salzburgfestival.at/fotoarchiv.php?lang=de&archivid=3 「OPER」の中の「Rosenkavalier」をクリックせよ。