チンポコV2米本土攻撃!大統領爆殺!

  • 珍しく仕事が早く終わり、柚子は用事で帰りが遅いので、去年からバイロイトで悪評だらけの『パルジファル』の演出を手掛ける、クリストフ・シュリンゲンズィーフ*1の映画『ユナイテッド・トラッシュ』のヴィデオを観る。ポストモダン文学が暑さに頭をヤラレタみたいな鮮血とウンコとスペルマ塗れのアホダラ映画だが、其処に表出されているイメージ群は、『パルジファル』の演出でも変わらない。
  • ミュンヘン大学を卒業した大橋巨泉顔の独裁者が治めるアフリカの某国。ドイツから派兵されている国連軍が駐屯していて、その司令官は嬉々として怪演するウド・キアーなのだが、彼はその国にありとあらゆる贈り物(その際たるものはナチス・ドイツのV2ロケット)を齎し、ついでにハードなゲイで、常に顔面から馬鹿笑いを絶やさない部下のぶよぶよマッチョのオヤジに毎晩姦られている。他にもこの国には、V2に生きた人間を積み込んで推進力にしようとする、NASAを追われたマッドなロケット工学者(彼は医師すら兼ねている)の研究所や、バチカンから破門された頭のオカシイ白人神父が主宰する、現地人たちに狂信されている教会などがある。ウド・キアーの司令官には爆乳の白人肥満妻がいて、彼女とウド・キアーは性交したことはないが、妊娠している。キチガイ神父は、司令官の肥満妻の胎の中の子どもは救世主で、肥満妻は聖母だと喚く。
  • 時が満ちて肌の色の黒い子どもが生まれるが、とてもくだらないことがいろいろあって坊やの頭はグチャグチャに潰れ、ロケット工学者が回復手術すると、額には巨大なヴァキナ、頭頂部には巨大なペニスが生えている。ニョッキリニョキニョキ。やがて国連軍は独裁者の軍隊の叛乱で壊滅させられ、ウド・キアーは両足を失い、キチガイ神父の愛人になった肥満妻と教会で暮らし、性器頭の坊やはウォーウォーと唸りながら独裁者と一緒にV2に乗って米帝を攻撃。大統領を爆殺してアメリカを更地に戻し、最後は豊饒なるアフリカの地で最愛のお母さまと結婚して幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
  • パルジファル』の演出の良し悪しや好悪は別にして、シュリンゲンズィーフが、じぶんのやりたいことを常にやっている奴だと云うことは、良く判った。しかし、ヴォルフガング・ワーグナーには兄貴と違って演出家の才はこれっぽっちもないが、興行師の才はひどく豊かだなァ。

*1:英語版公式サイト http://www.schlingensief.com/index_eng.html