読むことの悦楽、書くことの快楽、読まれることの愉楽

  • 終日、自宅にて。
  • 数年前にプレイ・バイ・メールの某ゲーム会社で約一年間に渡って書かせていただいたリプレイ小説の拙文を引っ張りだしてきて読むふける。私の担当していたパートは、ファンタジィ世界らしからぬ、クーデタだの兵站だのと、ずいぶん剣呑かつ狭隘なネタばかり扱っていたにも関わらず、幸いプレイヤーの方々に非常に恵まれて、毎回創意の豊かな鋭いリアクションを返していただき、こちらも書き手として書きたいことを充分に展開させてもらえたものだった。
  • 数年ぶりに読み返してみると、当然まず飛び込んでくるのは加筆・修整したい部分なのだが、それ以上に、私に強く思い出されたのは、これを私は心底から愉しんで書かせてもらっていたのだと云うことだった。このリプレイ小説を書いていた頃は、現在の職場に勤め始めたばかりだったが、親戚が次々に亡くなったり頻繁に風邪を引いたり家族が急病で病院に付き添ったり……と嘘八百を並べ立てて毎月会社を休んでは、自室に篭ってMacのキィを叩いたのだった。
  • あらゆる時間をその執筆に投入したのは、もちろん私が大変な遅筆だと云うのが最大の原因のひとつ(締切破りの常習犯で、プレイヤーの方々には毎回大変な御迷惑を掛けた。陳謝)なのだが、少数の最良の読者に恵まれて、そのひとたちに向けてモノを書けると云うことの愉楽は、何物にも替え難いものだったからだ。
  • 久しぶりに、書くと云うことの喜び、読んでいただくと云うことへの意欲に目覚める。
  • 池田理代子『ベルばら』の外伝を読み終える。お転婆のル・ルーが最高。その後の彼女の人生をちゃんと描いてくれないか? きっと魅力的だと思うのだが。
  • 弟から借りてきたPEACH-PITの『ローゼンメイデン』の最新巻を読み終える。いやはや、巻を重ねるたびに陰惨さが増すねぇ。
  • 柚子のお薦め、青池保子『イブの息子たち』を読み始める。ぶははは、これは素晴らしく馬鹿馬鹿しくって面白い。