ナボコフの『ロリータ』は凄い

  • 試写で青山真治の期待の新作『エリ・エリ・レマ・サバクタニ*1、途中で、うっかり眠る。起きると浅野忠信が野原の真ん中でギュギュギョギャギャギャギャとギターを弾いていた。浅野忠信はキリストがよく似合うなぁ。エンディングの雪が、とても美しい。
  • ナボコフの『ロリータ』を読み終える。
  • 或る種の本は「私を読んで!」と「お前なんかに読まれてたまるか!」と云うふたつの人格を同時に備えており、それに対してこちらは「読み破っておまえを消化してやる!」と云う気持ちで望むわけである。で、この本だが、完敗。表層を舐めただけ。しかしそれでも非常に面白い。普通に小説として読んでも面白く、とことんハードな読み破り勝負を挑むこともできる。
  • つまり、パーフェクトな前衛文学なのだが、それは、誰にも読めないと云う意味だけで単純にパーフェクトな『フィネガンズ・ウェイク』などと比べれば、どれほど凄いことか、お分かりだろう。ナボコフはやっぱり凄い。
  • 池内紀ちくま文庫版『ウィーン』を読み始める。押井守の『天使のたまご』みたいな随筆だ。