『Helpless』を観る。

  • 昨夜は『ツイン・ピークス』第6話まで観て、私がすっかり睡魔に襲われたため、残りの第7話を朝少し早く起きて柚子とふたりで観たあと、慌ててDVDを返却しに行く。10時までに返却すればセーフなのである。
  • ミスタードーナツで柚子にお土産を買い、帰宅。
  • さっそく借りてきた『ツイン・ピークス』の第8話(セカンド・シーズンの第1話)をふたりで観る。ひさびさのデイヴィッド・リンチ監督作。老人ボケのような、コントのような場面が続き、あっと云う間に一時間半。
  • 独りで、青山真治の『Helpless』を観る。空撮のオープニングは、気合が入っていて結構良い。昭和が終わった年、つまり平成元年の物語で、ヤクザが数年ぶりに出所してくるが、服役の間に組長は死んで組が解散している。しかしヤクザはそれを信じることができずに、組長をじぶんの手で殺そうと捜しまわる……とか云えば、組長とは昭和帝のことかいなと思うが、それは何となく宙ぶらりんのままになったまま、結局面白いのは若き浅野忠信の暴れっぷりである。野放図な繊細さとでも云うべきか。劇中のTVドラマの使い方が『ツイン・ピークス』っぽいなと思ったりする。
  • 青山真治の映画は、私の好きな映画の要素を幾つも持っている*1はずなのだろうが、それを実現する手つきが、一見些細だが肝心な点でズレていて(例えば、銃は良く出てくるが、青山真治は銃をちゃんと画面で描くことに興味がないように見える。北野武の銃の描き方と比較せよ)、私の好きな映画にならないのだ。気になるし、やりたいことも判るけど、肌が合わない。そんな感じ。
  • と云うわけで、今のところ私がいちばん好きな青山真治の映画は『月の砂漠』であるが、それは唯一読んだ彼の小説である『月の砂漠』込みでの評価な気もする。あ、『シェイディー・グローヴ』は悪くなかったな。
  • 『Helpless』は、のちに書かれた小説版が素晴らしいと云う評を読んだ記憶があるので、いづれ読んでみよう。
  • 柚子と選挙に行ってから、独りで梅田に出て、『Helpless』を返却し、少しぶらぶらしてからU君邸へ。駅前で落ち合い、スーパーでの買物に付き合う。選挙速報を眺めながら、U君の今後の身の振り方に就いて駄弁る。しかし、選挙報道を観ながらつくづく思ったのだが、やっぱり日本の政治家はちゃんとネクタイをしたほうが良い。でなきゃ、ヤクザかバブリィな株屋にしか見えない。
  • 終電で帰宅。

*1:例えばこの映画は80分だ。90分以内で総てを語り切ろうとする姿勢は、とても素晴らしい。あとは、『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』に於ける岡田茉莉子川津祐介の起用に見られるように、映画が盛んだった頃の俳優たちを起用して、再び現在の映画のなかで、その「顔」を活かそうとする姿勢、など。