『パビリオン山椒魚』を観る。弟と駄弁る。

  • ヘラルドの試写室で、富永昌敬監督の『パビリオン山椒魚*1を観る。香椎由宇が、誘う女からオオサンショウウオ(齢150歳)大好きっ娘、母恋しの乙女まで、大変丁寧に撮られている。そして、オダギリジョーの徹頭徹尾ないかがわしさ、胡散臭さが素晴らしい。さらに、ナポレオン三世に愛されたオオサンショウウオのキンジローが可愛い。レントゲン車のなかのふたりと一匹の超バブリィなラヴ・シーンが素敵である。
  • 青山真治の映画の生真面目すぎる滑稽さと、黒沢清の映画の真摯すぎる出鱈目さの子供のような映画で、どちらかと云えば後者の色が強く、大変愉しめた。菊地成孔による菊池成孔の総て。みたいな劇伴も見事。映画の最後に主題歌*2が流れるのだが、スパンクハッピーなどからずーっと聴いていて初めて菊地成孔の歌声を良いと思った。しかし、今の邦画に出てくるニッポンのクルマのデザインのみっともなさと云うのは、何なんだろう*3
  • 階下のジュンク堂で入江亜希の新刊を買い、弟に「買ったからもし買おうと思っているなら買わなくて良い」と携帯にメールすると、「もう買った」と返事あり。東通商店街のまんだらけからこちらにやってくる弟を待ち、本屋の中で少し駄弁る。兄弟と云うより寧ろ、これではただのヲタモダチである。年齢差はちょうど10歳である。

*1:http://www.pavillion.jp/

*2:ネットラジオ。番組の後半では南博の新曲「エレジー」も流れる。 http://www.jjazz.net/mtarchives/new_program/index.php#000803

*3:この映画の中では、高田純次が乗っている軽トラと、オダギリジョーのレントゲン車を除く。