- 夜、事務所で残業をしていると、私の出した見積もりを手に、社長に鼻息荒く、利益率が低いと詰め寄られる。サボタージュでもなんでもなく、どういう計算を社長がしているのか判らず、頭が止まる。判らないものは判らないので、頭を垂れて教えを請う。結局は四則計算なのだが、つくづく数字は苦手だ。
- 心底から疲れてしまい、何もやる気がなくなり、社長が帰宅したあとの空っぽの事務所で、雨雲に顔を突っ込んだぐあいに、どうしようもなく立ち尽くす。途方に暮れながら、壁のカレンダーを眺め、退職までの日をぽつぽつと数えて、せめて、帰宅するだけの気力をひねりだす。
- 帰路に。
- 柚子の隣で焼きソバを食べる。