父と会話する。

  • きちんと時間に追われることができない。だいたいのことは判り、話もできるがどの分野でもエキスパートではないため食いっぱぐれる器用貧乏。スタンドアローンな一匹狼をやっていると、愈々と云うときコバンザメにさえなれない。取りあえず現場で闘ったが身命を賭してと云うところまではやらなかった。とどのつまり、真面目でなかった。「陸軍良識派」と呼ばれる軍人たちがいる。なぜ彼らは陸軍を牛耳れなかったのか?……父親と話をしていると、父親はじぶんが失敗したのと同じ轍を、私には歩ませないようにしなければ、と云う気遣いでいっぱいであるのがよく判る。たぶん私は彼の子供のなかで最も彼に似ている。だからだろうか、彼は、ものすごくよく私を理解している。私が小学校の高学年のころからずっとの単身赴任のひとだから、それほど一緒に過ごした時間が豊かなわけではないし、ようやくの彼の帰阪と同じ頃、私は実家を出てしまったのだけれど。ただ、しかし、父はめちゃくちゃ頭が切れるのだが、私はそれほどではなく、にも関わらず彼の負の要素はちゃんと持っているのだ。
  • 昼過ぎ、東京駅から高速バスに乗り、夜遅く、帰宅する。