『アメリカン・ギャングスター』を観る

  • 朝の最初の新幹線で帰宅する。柚子とだらだら話をして、朝食をとり、一軒だけ残っていた近所の挨拶廻りに。其処の小母さんから教示を受けて、姑が植えた梅の木の枝を剪定する。
  • 吉田喜重の『エロス+虐殺』のDVDをちょっと観る。中学生の頃に一度だけ観て、しかし随分な影響を受けた映画。久しぶりに観て、押井守も深甚な影響を受けていることを知る。例えば『御先祖様万々歳』とか。
  • 午後過ぎ、柚子と出掛ける。ムジカで夕食をとり、リドリー・スコットの『アメリカン・ギャングスター』を観る。
  • 黒人の音楽とカルチャー、そしてヴェトナム戦争と人種差別でお送りする'70年代アメリカ裏面史。はぐれ刑事がユダ公と罵倒されるのは象徴的だ。ソニーコロムビアを、三菱地所ロックフェラー・センターを買った、たぶん米国人なら黒人であれ白人であれ悪夢だったに違いないジャパン・マネーの'80年代をまるごとすっ飛ばし、'90年代になってムショから出てきた、鬢に白いものが目立つようになった浦島太郎状態のギャングのボス*1に、彼が娑婆では耳にしたことがなかったはずの、最新の黒人音楽が被さってくるのが素晴らしい。
  • 団地のなかでの銃撃戦のリズムがいい。リドリー・スコット、実にグッとくる映画を撮った。柚子も本日は満足とのこと。

*1:デンゼル・ワシントン演じる、怖ろしく真面目な男。真っ先に思い出したのは、中内功流通革命の旗手、繋がり。