また『脱獄広島殺人囚』が観たくなる

  • 朝早く起きて、きのう義姉と柚子が片付けた姑の衣類などの、大量のゴミ袋を棄てる。
  • 部屋の掃除をする。それは、積み上げた本の整理のことである。
  • 昼、中島貞夫の『実録外伝 大阪電撃作戦』を昔買ったままになっていた中古ヴィデオで観る。松方弘樹の、渡瀬恒彦に対する、ひたすらホモソーシャルな愛情(友情?!)表現が可笑しい。じぶんの女を抱かせて、女が私を好きじゃなくなったのねと怒ると、好きじゃない女を抱かせるわけないじゃないか!と返す。決してまとまりの良い映画ではないが、出入りの前のひどく淋しい裸踊りや、最後の松方弘樹の血塗れのひと暴れなど、妙に強い印象を残す。成田三樹夫三上寛松方弘樹の子分を演じる志賀勝などの俳優たちも、とても良い。
  • 「ギブス」でA君と話をするたびに読まなきゃと思っていた古谷実の『ヒミズ』を読み始め、一気に読了。ラストが滅入ると云う評判を聞いていたが、寧ろ私は、いっそ、すがすがしいような気分になった。北野武の『ソナチネ』の手触りと同じものを感じる。傑作と呼んでいいと思う。
  • 上野俊哉の『紅のメタルスーツ』を再読し始める。初出で殆ど読んでいるはずのテクストが多々収められている本。
  • 買ってきて、本棚にずっと突っ込んでいた本を読み始めるときは、初読ではない。わざわざそれを引っ張り出してきて読み始めるとき、私はその本をあらかじめ知っている。だからこそ、それを選び取り、読み始めることができる。それは再読だ。その際、こちらの予期とか既知を越える本こそ、よい本だ。