押井守『鉄人28号』をみる

  • 昼からアルバイトに行き、そのまま梅田まで出て、「シアター・ドラマシティ」で押井守の作・演出の『鉄人28号*1をみる。
  • 押井守の本分は、云うまでもなく、映像作家にこそある。モノとしての人形が突然生命の息吹を吹き込まれて踊りだすシーン(鉄人28号が動き出すシーンではない)が、いちばん彼の仕事らしいものだった(成るほど、それはお化け屋敷の驚きと同じものかも知れないが、映画とはそもそも、そう云ういかがわしいものであった筈だ)。他の、大仰な台詞やらなんやらは、押井守の映画の模倣にしか過ぎない。云ってみれば、押井守が大好きな高校生が作った舞台のような演劇だった。率直に云って、たびたびこみあげてくる失笑を押さえることができなかった。
  • しかし、押井守の作品をずっと追いかけてきた身としては、押井守の自己像の置き所が、金田正太郎を巡る思想まみれのオッサンたちやアナーキィなオネエサンにもなく、まさにその、美しき無垢のデモクラ少年である正太郎クンに置かれているのが、はっきりと判るのは面白かった。真赤なラテックスのトレンチコートを纏って出てくる最後の南果歩は恰好よかったし、川井憲次の主題歌は好きだったけれど……。
  • 本当に宝塚がやりたかったのなら、腐るほどいるOGを使い、押井は脚本だけを書いて、荻田浩一あたりに演出してもらえばよかったのに……。宝塚、舐めるなよ、と。
  • 演劇人の目からみた大変的確な評があるので、興味がある方は是非*2。確かに、この舞台を素材にした映像作品を作れば、面白いものになるかもしれないけど……。
  • 古本屋に寄ってから、帰路に。
  • 何だかめちゃくちゃ疲れて、柚子に肩を揉んでもらいながら、爆睡。。。。。。。。。。