電話と眉毛と雨。

  • 「宅急便ですが、あなたのご家族に信書(もちろん郵便局ではないので、ご本人でなければ受け取れない、とか何とか云ったのだが)が届いているんですが……」と云って、引越した家族の新しい住所を聞き出そうとする電話が、あちこちへ掛かっているらしいので、そう云う電話があったら、どうぞ気をつけてください。先日、ウチにそんなふうな電話があり、「信書なら家族でも受け取れるから持ってきてよ」と云ったのだけれど、いつまで経っても持って来ず、不在通知も入らず、何だかとても気持ちが悪かったので、あとでヤマト運輸に問い合わせをしたら、「そもそも、基本的に信書の転送はできないので、そう云うような電話をこちらから差し上げることは決してありません」と云うようなことだった。しかし、悪戯なのか新しい詐欺なのか何だか知らないが、チクチクとムカツク世のなかだ。
  • きのう夢のなかで誰か(灰色の細長いひと)と話をしていたら、私がずっと悩んでいる批評や小説の表現のスタイルは、やはり総て、江藤淳の『一族再会』と『海は甦える』のなかに書かれている!と云うことに気づいたので(笑)、朝起きて、本棚からそれらを引っぱりだして、文庫版の『一族再会』を読み始めるため、頁を開いたら、大学生の頃に飼っていた桜文鳥の羽が二枚挟まっていて、「アッ」とちいさく叫ぶ。
  • 柚子がきのう呉れた、会社から持って帰ってきた「とらや」のちいさな蜂蜜羊羹を食べる。美味。
  • 電車のなかで、チューハイか何かの石原さとみの吊り広告をみたのだったが、眉毛の太さを強調しているのが、とても可愛らしいと思ったのだった。
  • 夜、アルバイトが終わってから、柚子と、その友達の車に乗せてもらって、強くなる一方の雨のなかを帰宅する。
  • ふたりで蕎麦を食べ、そのまま「しま」と遊び、柚子は早々に眠り、私はポチポチとPCを叩いている……。