妻の発見。

  • 朝、いちど家を出た柚子が、バタバタと階段を駆け上がってきた。
  • 「携帯!?携帯!?」と焦りながら探している。
  • 蒲団から跳ね起きて、眼鏡もかけずに私は自室へ走り、彼女の携帯へ電話をかけた。
  • 「あった!」と柚子。そのまま私の自転車に乗って、彼女は会社へ。
  • 蒲団に戻り、しばらく眠ってから起きた。携帯電話がずっと鳴りっぱなしになっていたからだ。しかし、テーブルの上で、ぶるぶるとうるさく震えていたのは私の携帯ではなくて、そのすぐ隣に並んでいる、柚子の携帯なのだった。……「あった!」って云ったよね? なぜ、持ってゆかなかったのか……「しま」と爆笑する。
  • すぐ近くのゴミ棄て場の収集は、私が眠っている間に終わっているのは判っていたので、ひとつ向こうのゴミ棄て場を覗きに行くと、もう青や白の袋の山はなくなっている。なぜならもう正午前だから。
  • 家の前の道路に、イヌ(ネコではない、決して)の糞をクルマのタイヤが踏みしめていったものがこびりついていて、そのままにしておくわけにもゆかず、庭から水道の蛇口に繋いだホースを引っ張ってきて、そいつにじゃあじゃあ水をかけて(しかし、なかなか落ちないのだ……)、側溝に流して掃除をする。
  • MR君から一柳慧がピアノを弾いている武満の『弧』を送ってもらって聴き('68年の録音なので、一柳は音の粒が各々でびりびりっと立ち上がるような、ものすごくシャープな演奏をしている。'66年に高橋悠治が「パートⅠ」のみ弾いている録音もあるが、高橋悠治のそれは今の高橋悠治ともう変わらない)、ようやく原稿を書き上げる。柚子が呉れた「Meijiチョコレート〈ストロベリー〉」を齧りながら赤のボールペンを持ち、プリントアウトしたものをグリグリと読んでゆき、……紙が真っ赤になる。疲弊して、取りあえず眠る。。。。。。。。。
  • きょうはiiさんのお誕生日だった。おめでとう!