- 手話で話す老婆の手の、肩から指先までの総てを使って絶え間なくひらひらとしなやかに動き続けるその運動を、後ろからほれぼれと眺めていた。上手な指揮者の棒の動きを思いだした。
- 自転車で昼前から出かけて、図書館で『明治天皇紀』の『索引』を手がかりに、あっちこっちの巻をひっくり返して読み、大事な箇所はコピーをとる。とても面白い。
- 夜、柚子とすき焼を食べながらTVをときどき眺めていると、25歳の社長と市会議員が取り上げられている。こういうのをみてもちくちく劣等感を刺激されることが(ほぼ)なくなった。年齢が評価に加点される時期は疾うに過ぎ去り、むしろ、その年齢でこんなこともできないの?と云われることのほうが増えているような気がする。もう何の可愛げもなくなってしまったのだから、何の飾りも韜晦もなしで、ただ私にやれることを、積み残しのないように、きちんきちんとやってゆくしかない。そんなことを確認しながら皿を洗う。暮らしの傍に、柚子がいてくれることをありがたく思う。
- 大橋良介の『美のゆくえ』を風呂のなかで読んでいる。カント美学は凄いと思うのだが、やはりすっと馴染めないので、たらたらと読んでいるが、面白い。
- dhmo君から電話あり、少し話をする。