• 朝、風呂のなかで『ゲルマントの方』を読んでいる。
  • 深夜のシャルリュス邸での「私」のシルクハット八つ裂きのあとは、いきなり出てきたスワン氏が「私はもうすぐ死ぬので」みたいなことを云い出して驚くが、どうしても仮装舞踏会に行きたいパリピの公爵夫妻は「それ、すごい冗談ね!」と云ってそのまま去ってしまう。えげつなくて、とても可笑しい。パーティの誘惑と友だちの急な告白の間に引き裂かれて、公爵夫人はその才気の抽斗からうまい返しを探してくることもできず、一瞬どうしていいかわからなくなる(「生まれてはじめてこのように異なる二つの義務の板ばさみになった彼女は、礼儀作法の掟を探っても、従うべき判例を示すものを何ひとつ見出すことができなかった。(……)この葛藤を解決する最良の手段は葛藤の存在を否定することだと考えた」)、そのほんの少しのとまどいの描き方とか、プルーストはえぐいなあとつくづく感心する。そして、この巻終わり。九年近い時間をかけて(プルーストは再読し始めると、すぐ親切に招き入れてくれる感じがあるので、それに甘えているのである)『ゲルマントの方』を読み終わった。めちゃくちゃ面白かった。
  • 昼から仕事に行く。今年の出社は、きょうで終わり。上司と呑んで帰る。柚子が食べている、胡椒を振りかけたチキンラーメンを、深夜にちょっとだけ貰う。おいしい。