2018-12-16 ■ 日録 今福龍太が編んだ多木浩二の講義録『映像の歴史哲学』を読み始める。「写真には、いつも過去と現在しかないのだ」「それらが風で吹き飛ばされないように、必死で繋ぎ留めているのは、われわれの現在なのである。」「巨大な船が沈没する・タイタニック――これは事件だ。人びとはそれを歴史に書き込む。しかし難破につづく溺死者のながい漂流――それは歴史の外にある。偶然、どこからか流れてきて、次々と浜辺に打ち上げられてくる溺死者の群れ。写真もそんなふうにして生まれてくるのだ。」 帰宅する。くさくさしているので、リームの《トゥトゥグリ》を引っぱりだしてきて、音はそんなに上げないで、聴く。