- 田野大輔の『愛と欲望のナチズム』を読み始める。
- 午後から柚子と同じ電車で出かける。私は新今宮で降りて、天下茶屋のほうに、そぞろ歩きしながら写真を撮る。
- スナップショットと批評、今とても嫌われているものをふたつも、私は宿痾として血道を上げている。
- 写真を撮っていると、おばさん同士が喋っているのが聴こえてくる。どこで喋っているのかは見えない。コロナの蔓延の話をしているようで、やがて、「日本も全滅やで。ひゃひゃひゃひゃ」と、おばさんの哄笑がやってきた。心の底から噴き上がってるらしい、とても透き通った笑い声で、こちらまで元気づけられた。
- 山王のあたりを抜けながら天王寺駅のほうに戻る途中。五時を過ぎるとすっかり暗くなって、街中ではないから、F値を小さくしても撮れるものは限られてくる。コインパーキングと居酒屋の電飾看板を撮っていると、私の脇を、空き缶を満載した自転車を漕いで、キャップを被ったおっさんが抜けて行った。通り過ぎざまに、小さな声で節をつけて「バカまるだすぅぃー」とおっさんは謡った。追いかけてやろうか。しかし、おっさんの言っていることは蓋し尤もである。一枚撮って、路地を振り返ると、もうおっさんの自転車は見えなくなっていた。
- 中古レコード屋で、ジェイムス・ブラウンの『IN THE JUNGLE GROOVE』を買う。買おうかなどうしようかなと先日から思っていたのだが、今日は買おうと思って行ったらまだ棚にあったので買う。やはり最高。