• マリウポリでロシア軍は虐殺の証拠を隠滅するため火葬用のトラックを13基稼働させているそうだ。荷台の奥にはジェットエンジンの噴射口のような、サンドワームの開口部のような洞が見える。この穴の中に「地元の協力者が集めて」きた犠牲者の遺体を投げ込んで、「焼却している」という。これを見て、ヘウムノのガストラックやゾンダーコマンドのことを知っているならば、誰がそれらを思い出さないでいられるだろうか。朝から反吐が出る。「敵方の陣営から来た協力者たち、かつての敵たちは、本質的には信用できない。(…)彼らを縛りつける最良の方法は罪を負わせ、手を血で汚し、できる限り深くかかわらせることである。そうすれば首謀者と共犯関係を結ぶことになり、もう後戻りはできなくなる」とプリーモ・レーヴィが『溺れるものと救われるもの』で書いていたのを思い出す。幡ヶ谷のバス停で生き延びていた初老の女を殺した私と同世代の男は保釈中に自殺したらしい。証拠を消すこと、証言をしないこと。夜のニュースも反吐が出る。