石蹴り遊び(きょう買ったCD)

  • 会社から程近い映画館で、上映が今日までの、マーティン・スコセッシの『アビエイター*1を観る。『市民ケーン』と『ルートヴィヒ』を混ぜたようなお話で、とても愉しめた。キャサリン・ヘプバーンを演ったケイト・ブランシェットが良かった。ディカプリオも決して悪くない。いや悪くないどころか、ラストシーンではハワード・ヒューズが乗り移ったかのような狂気っぷりに、心底ぞっとなった。だが、どうにもやっぱり『地獄の天使』が観たくなる。キューブリックも好きな映画ベスト・テンに入れていたが、『バリー・リンドン』の冒頭の決闘シーンそっくりな絵が、『地獄の天使』にはあるようだ。しかし、ディカプリオはやはり『アメリカン・サイコ』を演るべきであったと思う。
  • 午後から会社に戻り、仕事。営業の途中で三宮のタワレコへ。取り置きしておいた菊地成孔の『南米のエリザベス・テイラー』を引き取る。店員さんが商品確認のとき「この《菊地さん》のCDでよろしゅうございますね?」と云う。アンタモスキネ(笑)。さっさと帰ってCDを聴きたかったのだが、社長に捕まり、帰宅は9時半。
  • 夕食を取り、いそいそと『南米のエリザベス・テイラー』をCDプレイヤーに乗せる。これはとても素晴らしい出来。前作『デギュスタシオン・ア・ジャズ』で獲得した、1960年代の現代音楽のような最高にクールな響きに、濃密な、でもやはり何処かさえた官能性が接ぎ木され、ジャパニーズでゴージャスでエロティックな京マチ子の花が咲いている。去年、私たちの出掛けたKQLDのライヴではUAが歌った「The Look of Love」は、カヒミ・カリィが歌っていて、ずいぶん印象が違った。しかし、菊地成孔とラテン・アメリカ風味の相性の良さは驚くほど。さすが銚子出身!? ボルヘスの名を冠した曲が収められているが、寧ろコルターサルこそが、菊地氏には似つかわしい気がする。まさに「追い求める男」であるし。柚子もこのアルバムは気にいったみたい。触発されて手持ちのラテン音楽のCDをあれこれ聴く。ああ、7日のブルーノートがとても愉しみだ。