ベートーヴェンは新鮮だ。

  • ぐたぐたと夕方まで過ごす。雨。私がとてもくだらない人間でも、私の目と耳が開いている限り、藝術は決して私を払い除けない。
  • MR君から教えて貰って、パーヴォ・ヤルヴィとドイツ・カンマーフィル管がベートーヴェンの『英雄』を演奏するのをYouTubeで見る*1。私はピリオド奏法の演奏と云うのに、どうもそれほど感心することがないのだが、これには驚いた。ものすごく私好みの演奏で、ベートーヴェン交響曲で吃驚するのも久しぶり。音がペラペラではなくしっかりと厚みがあり、しかし軽やかに跳ね回る。ベチャっとしていないで、すいすいと歌がある。とてもいい。
  • 買ってから、ブルックナーのボックスのほうばかり聴いて殆ど放ったらかしていたハインツ・レーグナーの指揮する管弦楽のボックスを引っ張り出してくると、ラヴェルの「ピアノ協奏曲」が入っていた。最近こんなのばっかりだ……。聴いてみると、殆ど爛熟の耽美さえ聴き取れる非常に見事な演奏で、チェリビダッケミケランジェリ、最近すっかり気に入ってたびたび聴いていたパレー&アースのものより、私好み。特にオーケストラが素晴らしい。レーグナーの演奏を聴いているといつも泣きそうになる。彼の演奏は謂わば、Happy Sadなのだ。
  • 「批評ギブス」のクラスメイトだったS君が御結婚とのこと。電話で少し話す。挙式はあの丹下健三の大傑作「東京カテドラル聖マリア大聖堂」で執り行われるそうで、オトコマエのS君らしい。おめでとう!